侍の紅一点 (ページ13)

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12話ページ13

WBC初のサイクルヒット達成と言うだけあって、ヒーローインタビューは昨夜よりも熱狂的なものとなった

だが、この後に事件が起こる

インタビューを見届けた韓国代表は、韓国応援団の元へ行く

「ご期待にそう成績を残すことが出来ず、申し訳ございませんでした！！」

何と、韓国代表がファンに謝罪したのだ

潔い謝罪に侍ジャパンも感銘を受けるが…

「ふざけるな！！日本人の女のいるチーム負けた税金泥棒共が！」
「飛行機で帰るな！玄界灘を泳いで帰れ！出来ないならそのまま溺れ死ね！！」

悪辣なファンが、必死で戦った代表選手達を散々に罵る

余りの言い様に韓国代表の選手達も唇をかみ締め、泣きそうになる選手もいる

『何なのあの人達…采配ミスした監督に対してならまだしも、何で国の為に戦った選手達を慰められないんだ…？』

「日本への敵愾心は異常だからね…完敗とはいえ、これはあんまりだ…」

Aが韓国代表の元へ向かう

「ち、ちょっと！？」

栗山監督やダルビッシュが制止しようとするも、Aは受け入れない

「確かAちゃんは、選手を直接罵るファンがかなり許せないんだった…2019年にマー君がAちゃんのチームに滅多打ちにされた時、マー君を罵倒したヤンキースのファンと激しい口喧嘩して、数試合出場停止になったくらいには…」

ダルビッシュがアメリカでの事を思い出す

『ギャーギャーうるせぇ！！まともに応援もしてない癖に、選手罵ってんじゃねぇぞ！』

「何だと！？」

『お前らが応援してれば、負けてたのはこっちかもしれないんだ！それを棚に上げてんじゃねぇ！！』

「く、黒宮選手…」

韓国選手は、自国民以上に自分達を評価してくれるAに対してあっけにとられる

「このクソ女が！劣等民族の分際で俺ら世界最優秀民族に盾付きやがって！」

「ぶっ殺してやる！そこを動くんじゃねぇぞ！！」

怒りが振り切れた男達が、Aを襲おうとする

「危ないAちゃん！俺達の後ろに隠れて！」

「絶対に離れないで！」

エドマンとイ・ジョンフがAを庇う

収拾のつかぬ乱闘になるかと思われたが…

「辞めなよ！女の子に手を出すなんて！！」

韓国の大半のファンが、男達を殴り飛ばした

男達は逆上するも、韓国だけでなく日本人も敵に回した

「クソが…！夜道には気をつけておけよ…！」

捨て台詞を吐いて逃げ出した

『あ…わ、私なんて事を…』

冷静になって狼狽えるAを韓国代表が庇い、試合は終わったのだった