侍の紅一点 (ページ12)

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11話ページ12

Aの逆転弾で完全に勢いに乗った侍ジャパン

5回に近藤のソロホームランとAのツーベースからの吉田の犠牲フライで2点

6回表に韓国に1点を返され、その裏にはヌートバーに対し悪意を疑わせる死球があるも、大谷のタイムリーを含む打者一巡の攻撃で5点を上げた

そして7回裏…近藤の四球と大谷のヒットでノーアウト一二塁のチャンスを作り、4番のAに回る

ホームランが出ればサヨナラコールド＆WBC初のサイクルヒットとなる場面だが、韓国代表はここを凌ぐ手段を無くしていた

「(何が悪かったんだ…何が…)」

ヤン・ウィジは只管思い詰めていた

「(リーグを外国人中心にしたからか…？高校で木製バットを強要したからか…？それとも全部なのか…？それが俺たち代表が弱くなった原因か…)」

Aはヤン・ウィジに話しかける

『ねぇアンタたち…今野球やってて楽しい？』

「…これが楽しそうに見えるか？日本代表に完膚なきまでにボコボコにされて…」

『野球は、どんな時でも楽しむ人が報われるんだよ。不利な状況も楽しむくらいしなくちゃ、勝てるものも勝てないよ』

「…！お前に何が分かる！？温い日本で育ったお前に！」

『…やっぱり韓国の事情は理解出来ないな。来なよ。この打席で引導を渡してあげるから』

「くっ…！」

Aは相手のストレートを完璧に捉えた

「！」
「あっ…」

その打球は看板を越え、推定160メートルにも及ぶ超特大ホームランとなったのだった

【いったー！サヨナラホームランー！今日は、今日はWBC初のサイクルヒット！！2夜連続のホームラン！誰がこの4番黒宮Aの活躍に文句を言わせようか！！これぞ侍の4番！これぞMLB最強セカンド！これぞ黒宮A！！なんと今日7打点！難敵韓国に次元の違いを突きつけた…この3番・4番の活躍です！】

Aのホームランで2試合連続のコールド勝ちとなった侍ジャパン

打たれた投手は、マウンドで呆然としていた

韓国に向こう30年所ではない実力の違いを突きつけた勝利に、観客席からは止まらない大熱狂が響く

ヒーローインタビュー前に、キム・ハソンがAに握手を求め、Aはそれに応じた

『現状では話にならない。貴方達の今後に期待します』

「…ッ…！あぁ」

Aは2夜連続のヒーローインタビューを受け、この試合は終わり…かと思われたが…

この試合はもう一波乱続くことになる