吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ10)

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少女の血54 ページ10

…何かないだろうか…

そう思って部屋を見渡すも、ベットが5個と本棚が2つぐらいしかない。白い部屋に似つかない、ダークブラウンの本棚だ。軽く2mはある。

ガラッ

『！』
pe｢あれ…Aちゃんも同じ部屋？｣
死｢ほんとだー！よろしくー！｣
『よ…よろしく…？』
後ろでヒラヒラと手を振るクロノアさん。良かったと言わんばかりに安堵が見えるしょっぴさん。
？…トラゾーさんがいない…？

『あの…トラゾーさんって…？』
pe｢あぁ、トラゾーは奥さんいるから先帰ったよ｣
『奥さんいらっしゃるんですね…』
pe｢そうなんだよーラブラブなんだとよー｣

いいなー…羨ましい…
なんて言えるはずもなく。

『末永くお幸せに…て感じですね』
pe｢ね｣

Shp｢…無事？何もされてないん？痛いこともされとらん？？｣

心配そうに頬を撫でながら聞いてくる。
『大丈夫です…何もされてないです…』
Shp｢良かった…｣

そう言うとしょっぴさんはぎゅっと抱き締める

『しょっぴさんこそ…毒…抜けました…？』
Shp｢！！…よう気がつきましたね…本当はまだ少し残ってます…｣
『怖くない？』
Shp｢…少し…｣

この様子だと多分他の3人も毒が回っているだろう。
『他の3人は大丈夫ですか？』
pe｢ん…｣
死｢…なんとか…｣
kr｢うん…｣

大分苦しそうに見える…
『しょっぴさん』
Shp｢くんでいいっすよ｣
『？しょっぴ…くん？』
Shp｢そう｣
『！わかった…！ねえ、しょっぴくん。この毒、解毒出来ないかな…？』

そう言うと死神さんが反応した。

『…何か知ってますか…？』
死｢一応、人間の血を飲めば治るって…言ってた…｣
『人間の…』

バッと振り返り、しょっぴくんを見る。
Shp｢…のめって事ですか…？｣
『えっと…その…物は試しって言うから…ひとまずやってみよ…！』
Shp｢…分かりました…｣

そう言うとしょっぴくんは首を何回か舐めたあと、そこに歯を突き立てた。

『んﾞあﾞ…』

それと同時に血の匂いが充満したのだろう。
3人の目がどんどん濃くなっていく。

『…？！』
Shp｢ん…ふ…んくっ…はい…｣
そう言うとしょっぴくんは名残惜しそうに傷口を舐めた。彼なりに手加減してくれたのだろう。

…明らかに3人の様子がおかしい。…でもしょっぴくんは顔色が良くなっている。

『…大丈夫ですか…？』

！ぺいんとさんが徐々に変色している。髪は黒くなり、目は赤い。

『ぺいんとさ…』
pe｢うﾞぅﾞ…ぐぅﾞぅﾞ…｣

その瞬間、彼は私を押し倒した。