吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ37)

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少女の血79 ページ37

『窓開けないの？』
tn｢え？…うわ。開いとらんかったんか｣

そういい、トントンはいそいそと窓を開ける。
『あっ』
tn｢どしたん？｣
『あそこ…』

窓の向こうにはぺいんとさん、死神さん、クロノアさん、トラゾーさんが街を散策していた。
どうやらこの国に来るのは初めてなようで、
とても楽しんでいるように見えた。

『…また大先生がナンパしてる…』
tn｢懲りないやっちゃなぁ…｣

左側の訓練場ではゾムさんがショッピとチーノ達の部下の相手を、右側の畑ではひとらんさんとすぐ横の花畑の木陰で寛ぐオスマンさんが。

コンコン
不意にノックがなる。
gr｢とんち。いるか？｣
tn｢おるよー｣

ガチャ…と扉が開く。顔を見せたグルさんがあまりの暑さにしかめっ面をしていた。先程の私と同じ反応だ。

gr｢あっつ…なんや。Aもおったんか｣
『お邪魔してました』
tn｢めっちゃそっくりやな｣

あはは、と笑うトントンさん。つられて笑う。
グルさんは微笑み返した。

『…そう言えば…』
tn｢？なんや｣
『もう少しで私の誕生日だ』
gr｢そしたら今年で17か？｣
『うん』
gr｢……ふむ…なら…嫁入りできるな｣

ファ？！
『よめ…？！は？！』

gr｢クハハッ！そんなに急ぐこともないゾ。
…まあ…そのうちこの中の誰かと契りを結んでもらう予定だがな｣
『…20歳超えてからで…』
gr｢考えておく｣

急すぎだろう。でも、嫌ではない。

『……』
窓の外を眺めて、微笑んだ。

gr｢誕生日おめでとう。A。17になった暁には俺が貰ってやろう｣
『いや。いいです。』