吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ36)

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少女の血78 ページ36

あの後、溜まりかねたグルさんが相手国の首相の首を掻っ切って来たらしい。服に赤が染みていた。その後、恒例らしい打ち上げというものを行った。

初めてお酒を飲んだ。案の定、でっろでろになった私を、みんなは楽しそうに解放していた。らしい。(エミさんから聞いた)

あの戦争から約2ヶ月。今はちょうど夏。
外で蝉がわんわん鳴いている。

『あーーーつー』
kn｢Aー…アイス食うかぁ？？｣
『食べるーーー』

勿論、近未来な世界観では無いのでエアコンなんてものはなく、大広間のソファでだらけきっている。

『えみさんもアイス食べる？』
em｢ああ…じゃあ貰いましょうかね｣

コネシマさんは特に変化はないけどみんな半袖なのが面白い。かくいう私も膝ぐらいまであるTシャツと短パンという格好だ。

コネシマに貰ったバニラアイスをスプーンで掬い、頬張る。真夏の昼のバニラアイスは格別だ。

『おいしーね』
em｢そうですね…1口貰ってもいいですか？｣
『じゃあエミさんのも1口ちょうだい』
em｢いいですよ｣

そういい、エミさんのチョコレートアイスを貰う。

『やっぱバニラアイスの方がいいな…』
em｢なんでも美味しいですけどね｣

窓から送られてくる少し生ぬるい風を受けながら2人でアイスを黙々と食べる。

すると入口の方からシャオロンさんとロボロさんが…帰ってきた。

『おかえりなさーい』
Sha｢おっなんや。いいもん食うとるやんか。1口ちょーだい｣

外で訓練をしてきたであろうシャオロンさん。
汗だくだ。

『はいどうぞ』
Sha｢ん。…うまっ｣
rbr｢俺もちょうだい｣

はい。とスプーンでアイスを掬う。
2人して同じ反応をするもんだから、どうしても笑ってしまう。

『お風呂行ってきなよ。汗だくでしょ？』

そう言うと2人はシャワー室に向かっていった。

正直汗をかくのは嫌いだ。でもこの季節では切っても切れない関係にある。

『トントンにもアイス持ってったげよ』
そう思い、新品のアイスを手に持ち、トントンの部屋へと急ぐ。

大きめのドアの前でノックをする。
『Aです』
tn｢おお…入ってええよ｣

ドアを開けるとぶわぁっと熱気が顔を覆った。
途端、背中に汗が伝う。

『…暑くない？』
tn｢…めっちゃ暑い｣
『アイスどうぞ』
tn｢…ありがとう｣
『ついでに氷水もあります』

そう言ってトントンの首元に当てる。
とても気持ちが良さそうだ。