吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ34)

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少女の血76 ページ34

｢ペ神！！｣

sn｢んおっ…なに？もう帰ってきたの？｣
｢ちゃう！Aに輸血して欲しいんやけど！｣
sn｢わかった。取り敢えずそこのベッドに寝かせてく…え？｣

ペ神はAから生える赤いそれに酷く驚いているようだった。

｢なんか急に生えてきてんな｣
sn｢もしかして…ロボロ？と契約してる感じ？｣
Sha｢そうみたいやな｣

sn｢わかった。じゃあまず契約破棄してね。じゃないと血液検査できないから｣
rbr｢…ん…｣

ロボロはおぼつかない足取りでAの方へ向かう。
そしてゆっくりと彼女の肌を噛んだ。

『う……』

顔を歪めるA。次第に赤いそれもロボロから離れ、傷口へと戻って行った。

rbr｢これで……｣

すっとAから口を離すロボロ。
少し顔色が悪い。

血液検査の後、Aは輸血パックに血を分け与えていた。

｢これでひとまずはってとこやね｣
sn｢シャオロン。怪我してるからここ座ってて。ロボロは人間から血を貰わないといけないね｣

そう言ってペ神は近くを歩いていたメイドを呼んだ。

sn｢この子のなら飲める？｣
rbr｢……嫌や…Aの血じゃなきゃ飲めへん…｣

きっとAの血に依存してしまったのだろう。誰もがそうだ。上手い飯を食った後に不味い飯は食えない。

sn｢…でも我慢して…ロボロが死んだらAが
悲しむよ？｣

そう言うとロボロは仕方なくメイドの血を飲んだ。何回か吐いたけど、傷は徐々に修復されている。

sn｢ありがとう。ごめんね｣
そう言ってペ神はメイドを返した。

rbr｢うえ……めっちゃ不味い…｣

口の周りを舐めようにも、不味すぎて苦虫を噛み潰したような顔でいるロボロ。

ペ神がシャオロンの治療をしている時、ベッドからAの声が聞こえた気がした。

｢A？｣

そう呼ぶと彼女は瞼をゆっくりと上げる。長いまつ毛が光に反射して少し白くなっている。

『…大先生？』
｢！！良かった…起きたんやな…｣

そう言って微笑むと、彼女も微笑み返してきた。