吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ33)

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少女の血75 ページ33

ガラガラと馬車は自国に向かっている。

｢シャオちゃん…あんま無理せんといてや｣
Sha｢…ごめん｣

rbr｢ん…うう…｣
｢？！ロボロ？！｣

目を覚ましたロボロが、ゆっくりと体を起こす

rbr｢ごめん…寝てた……今どこ向かっとるん？｣
｢今戻っとる最中や｣

rbr｢！！…エミさん…1人にしてもうたな…｣

ふと、ロボロの目が赤いことに気づく。

｢…どうした？目の色なんかちゃうで？｣

rbr｢え？…あれ？｣

次の瞬間、ロボロの目から赤い涙が流れ出た

｢｢｢？？！！｣｣｣

rbr｢なん？！なんこれ？｣
｢なっ！大丈夫か？！｣
Sha｢なんやこれ…｣

rbr｢やばい…頭痛い…｣
そう言ってまた座席に座り込む。
嫌な予感がしてAの方をむく。

『………』

横になっている彼女の傷口から、何か赤い、細長い何かが伸びていた。

｢？！なんやこれ！！｣
Sha｢うっわ…ナ○シカみたいやな…｣
｢そんなこと言ってる場合ちゃうって！｣

みるみるうちに赤いそれはこちらに近づいてくる。
Sha｢大先生？！｣

気づけば俺は手を伸ばしていた。
赤いそれが指にキュッと巻き付く。少し生ぬるい。
赤いそれは少し巻きついてから、やがてシャオロンの方に行った。まるで品定めをするかのように。
シャオロンの指に巻き付き、暫くするとロボロの方へ向かった。

rbr｢ぅう……？なんやこれ…｣
赤いそれはロボロの腕に巻き付く。するとまるでこれだと言わんばかりにズズっとロボロの腕の中に侵入していく。

rbr｢いた……あれ…｣
みるみるうちに赤い涙は引いていく。赤いそれは少し太くなっている。血を分け与えているのか？だとしたらAの血はどうなるんだ？

｢A…｣
彼女はすぅすぅと寝息を立てていた。心無しか顔色もいい。たぶん血を与えて与えられてを繰り返しているのだろう。この少ない血で。

｢着きました｣
そう運転手がいい、外を見るともう自国にたどり着いていた。

｢Aを輸血せなあかん。はよペ神とこ行くぞ。ロボロ。Aの契約切ったってや｣
rbr｢…分かってる…でも医務室に着いてからでええか？｣
｢わかった｣

俺はAを抱き上げ、シャオロンはロボロに肩を貸す。

急がなければ。2人の命が危ない。