吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ32)

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少女の血74 ページ32

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｢大丈夫…！大丈夫やから…｣
腕の中で脱力するAを抱え必死に馬車へと走る。

馬車の中には深く項垂れるグルさんと顔を歪め、横になっているロボロが居た。

｢？！2人して何しとるん？｣
gr｢…大先生か…A？どうした？｣
｢…肩撃たれて…そのまま戦い始めて脇腹刺された…｣
gr｢！｣

｢…はよ…血ぃあげな……！血の契約やったら｣
gr｢無理だ｣

即否定するグルさん

｢なんでや…｣
gr｢こいつは今ロボロと契約中だ。無理してでも契約すればお前とAの命が危ない｣

｢そんな…｣
じゃあどうすればいい。こうなればもう手の施しようがない。肝心なロボロも起きていない。

gr｢…お前とシャオロン、あとロボロとAを先に国に返す｣
｢？！そしたら…｣
gr｢総統命令だ｣

｢…わかった｣
gr｢今から俺も戦場に行く。ついでにシャオロンも呼んでくるわ…大丈夫だ。俺たちが負けたことは無い｣
｢…せやな…！｣
gr｢それにシャオロンの事だ。きっと動かないからだに鞭叩いて動いとるんやろ。わかっとるんよ。全部。エミさんが教えてくれとる｣

そういい、グルさんは俺の眼鏡を"起動"させた

即座に周りの電子機器、相手の情報が目の前に写る。監視カメラやらなんやらがざっと100近くは見える。

｢こんなに…？｣
gr｢全部ロボロが作ってくれたんや。よくもまあこんなに設置したもんだ｣

じゃあ行ってくる。と踵を返すグルさん。
俺は急いで荷台にある包帯と消毒液を取りだし、Aの手当に専念する。

こんな時のためにペ神とクラレ先生に教わっていた。ありがたい。

『大…先生…』
｢？！喋ったらあかんって！｣
『ごめん…役に…たてなくて…』

彼女は目を瞑ったまま、俺を見ることなく語る。どうやら意識は俺の方へは向いていないらしい。

｢…十分凄いで。こんだけやれるんや。立派な軍人やで｣

彼女は大粒の涙を零している。無意識に、俺の意識は彼女の涙に向けられる。いつの間にか彼女のそばに行き、それを口で味わった。

｢しょっぱ…｣

彼女はまだ泣いている。ふと指が彼女の唇に触れる。そうして俺は彼女の薄い唇に自身の唇を触れさした。

『んん…んぅ…』

息をしずらそうに嗚咽を漏らす。それがたまらなくて、舌でより深く、彼女の口内に彼女を求めた。

｢大先生ー！！｣

遠くでシャオロンの声が聞こえる。それと同時に口を離す。

｢あ……ロボロおったんやった…｣

後ろにロボロが居ることにやるせなさを交えて、シャオロンを待った。