吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ31)

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少女の血73 ページ31

足を負傷した兵士がこちらを見やる。
そして銃を構える。
咄嗟のことに反応できなかった。彼が銃を撃つと共にショッピが彼の心臓を貫く。

パァン…という銃声音が聞こえた途端に私の肩に大きな衝撃が当たった。それは瞬く間に痛みへと豹変していく。

『あﾞ…！！？』

ドサッと膝から崩れ落ちる。痛い。とにかく痛い。

遠くから死神さんの声が聞こえる。

…私は死ぬのか？

どうせ死ぬならやる所までやってやる。
屋上から飛び降りる。足がビリビリと痛む。

『援護…します！』

そう言ってナイフを構える。こちらに向かってくる男兵士2人を先程のように素早く切りつける。先程よりも速さが落ちている。幸い、左肩だからよかった。

死｢Aちゃん！それ以上動いちゃダメだ！
ほんとに死んじゃうよ！！！｣
tr｢死神さん！！｣

死神さんの声が聞こえる。それを静止するトラゾーさんの声も聞こえる。

『…いった…』

肩からとめどなく血が流れる。でもまだ戦争は終わっていない。

ざっと5人を刺し殺す。

｢終わりだ！｣
ふと後ろから声がする。でも私の体力はそこを尽きていた。

『…！！』

必死の抵抗で刺さったのは右の横腹。刺す…と言うよりも…切れる…の方が正しいか。

ut｢A！！！！｣

大先生が崩れ落ちる寸前に支えてくれる。

『大…先生』
ut｢わかった！わかったからもう喋んな！｣
『ごめん…なさい…』

酷く焦った様子で私を抱き構える。
｢もう大丈夫やからな…！｣

そう言って涙目で走る大先生の顔を前に、意識は途絶えた。