吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ28)

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少女の血70 ページ28

『……？』

もはやダークと化してしまった彼は奇妙な鮮やかさを放っていた。

pe｢俺が…みんなの援護に行くから。Aはグルッペンさんのこと助けてあげて｣

『……はぃ…』

そう言うと彼はさっさと窓から飛び降り、戦場へと向かった。

『！グルさん』
振り返りそこを見ると、ロボロさんがグルさんの前に佇んでいた。

rbr｢ごめんな。A｣
『ロボロさ』

ザシュッ

彼は自身の腹部を思いっきり切った。
オレンジに赤いシミが出来ていく。

『？？！！』
咄嗟に彼に手を伸ばす。
『何…やってんですか…！！』

rbr｢……ごめ…｣

吹き出した血がグルさんに飛び散る。血の匂いで目を覚ましたであろうグルさんは目の前の状況に混乱してるようだった。

『…血…！血飲んで！』
rbr｢…飲んでも……致死量やもん……すぐ死ぬよ｣

『クッソ……何がなんでも助っけますからね！！』

そう言い、舌を噛む。血がどくどくと流れる。
それを、ロボロさんの口に押し当てた。

rbr｢？！｣

こんなことはしたくない。けど人工呼吸と同じだ。助けるためだったらなんだってやる。

『次に…』
血の契約。これは人間からでもできる。
そっとロボロさんの首にナイフで小さく傷をつける。

そこにも自身の血を押し当てた。

rbr｢あっ……ぅ……｣
ドクンドクンと脈打つ音が大きくなる。

『……プハッ…はぁ…少し寝ててください…』

そうして、自身の血をコントロールする。すると、案外早く彼は眠りについた。

『グルさん…ごめんなさい…血…』
gr｢いや…いいんだ。そんなに貧血でもないからな｣
『そっか…』

窓の外を見る。まだ戦争は続いているようだ。

『グルさん。』
gr｢なんだ｣

『……行ってきます』

そういい、窓から飛び降りた。

gr｢は…？！｣

血の契約のおかげで身体能力やらなんやらが結構上がっている。

『よぉっしゃ…すぐ蹴散らしてやる…！！』

手持ちの短剣を構える。
ここからは私の番だ。