吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ27)

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少女の血69 ページ27

ペイントさんに連れられて大きなドアの前まで来た。

pe｢絶対に喋んないでね｣
『えっ…？…はぃ…』

そう言うと彼はバンっとドアを思いっきり開けた。

そこには地面に頭を押し付けられているグルさんの姿が。

『！！！！』
言葉を発しようとしても、ペイントさんに止められる。

pe｢…総統様。連れてきました。直産みの子です。｣

…は？

pe｢かなり時間がかかってしまいましたが…味は保証しますよ｣

何を言ってるんだこの人は。

｢おぉ！さすがペイント。早速連れてきてくれたのか！｣
gr｢A…｣

歯がゆそうに眉をひそめるグルさん。言葉を発することはできないので顔で訴える。
それも伝わりはしないが。

｢さぁ…こっちへおいで…｣

総統様に手招きをされる。｢大丈夫｣とペイントさんは耳打ちをし、私の背中を優しく押した。

｢これが直産みの子か…｣
彼はスンスンと首を鍵始める。

『……ぅ…』

pe｢総統様。僕自身…血が得意では無いので…
あちらを向いていただいてもよろしいですか？｣

そういい、ペイントさんは窓の方を指さす

｢おお！そうか。わかった！｣

随分とご機嫌なのだろう。言われるがまま窓の方をむく総統様。

その時、後ろからザシュッと鈍い音が鳴った。
『…ペイントさ…？』
その瞬間、総統様は私にもたれかかってきた。

『重…』
総統様を退かすと机にもたれかかっているグルさんと床に倒れているペイントさん。
それを見下ろす…ロボロさん。

『ロボ…ロ…さん…？』
rbr｢…なんや兄さん…随分とあっけないな…｣
pe｢……｣

『…ロボロさんがやったの…？』
rbr｢……ちゃうよ｣

そいつや。とロボロさんは総統様を指さす。
総統様は背中にナイフが刺さった状態で倒れている。右手が異様に伸びている。枯れ枝のように。

『ペイントさん…！』

良かった…まだ脈はある…
『ペイントさん…飲めますか…？』
pe｢……ぁ…｣

ぎゅっと彼は私の手を握ると弱く腕を噛んだ。
けれど弱々しく、噛み切る事が出来ない。
pe｢ぅぁ…ぅ……｣
『…今…切ります…』

そういい、腕を切る。できるだけ丁寧に。

pe｢んく…ん…ごくっごくっ｣
『い…た……』

皮膚が薄いせいで痛みが強い。

『グルさんは…？』
見るとグルさんは気を失っているようだ。

『ペイントさん…ゆっくりで…いいですから…』
そういい、飲み終わるのを待った。

『…ぺ…』
少しずつ…少しずつ彼が黒に染っていった。
『ぺい…？』

pe｢…ありがとう｣