吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ25)

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少女の血67 ページ25

バキャﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ…

鳴り響く銃声音と窓ガラスの割れる音に目が覚めた。そこは相変らず海の部屋で、特に何も無い殺風景な部屋だ。

『いてて…』
きつく縛られた腕と足、きっと痣があるんだろう。地味に麻痺しかけている。

それと足の付け根も痛い。行為中に何度も引っ張るもんだからヒリヒリする。

｢ーー！！！｣

鎖状されたドアの奥から誰かの声が聞こえる。

｢ーーーAを探せ！ここのどこかにいる！｣

ーーーーグルさん？

｢まず敵を蹴散らしてからの方がええんちゃうん？！｣

甲高くも低い声。コネシマさんだ。

『！！！…グルさ』

バン！

勢いよくドアが空いたと思えばそこに居たのは

海だった。
『か…海…？』

海｢はあ…は…さぁ…逃げよう…僕のお姫様…！！｣

彼は顔が赤で染まり、黒と赤が混じった手を私に差し伸べてきた。

『ひっ…！や…！』

そう言うと彼は手をピクっとさせ、
｢…Aは僕のこと…嫌い…？｣
そう言った。

いつもの強気な感じはなく、覇気がない。

『いぁ…嫌い…では無い…』

そう言った。
思い返せば馬鹿な発言をしたと思う。

海｢…だよね…だよねだよねだよね！！！！
こんなに僕はAのことがだぁい好きなんだ。せっかくひとつになれたのに…今更置いていかないよね？｣

彼はこのような状況でも私の体をくまなく触る。

その時、ドアの向こうから誰かが読んだ。

｢A！！！｣

涙目になりつつも視線を向けるとそこにはコネシマさんが。

唖然とした顔で彼は私と目を合わせる。
最後に、どうか

『助…けて……』

手を伸ばす。彼はコツコツと足を鳴らし、こちらに歩いてくる。
そして、そっと私の手を取ったあと、海の背中の右側に音もなくナイフを刺した。

海｢うあ…あ……ああああああああぁぁぁ！！！｣

後から来る痛みに絶句している海を横目にコネシマさんは私を抱き上げる。

kn｢良かった……生きてた………何…された｣
『…色々』

そうか。とコネシマさんは海の方をむく。
kn｢…Aに手ぇだしたんか｣

海｢…出したよ…どうしても…彼女と…ひとつになりたかっ…たから｣
こひゅーこひゅーと彼は短い呼吸を繰り返す。

コネシマさんはタバコを取りだし、吸い始めた。1度だけ吸うと、灰柄を海の近くに投げた。

kn｢…｣
海｢弱ったなぁ…タバコ…嫌い…なんだけど…｣

そう言うと彼はもうなにも喋らなかった。

手は出された。もちろん嫌だった。
結局彼は寂しかったんだと私は思う。