吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ24)

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少女の血66 ページ24

grside

決戦は明日、O国には事前に宣戦布告をした。
前回は初めて相手国からの宣戦布告だった。

まあ、いつも通り。

相手国を領地にし、数ヶ月。今度はこちらから相手国に決闘を挑む。それもこれも、あいつの為。
絶対に負けてはいけない。

何でもO国は、Aが初めて買われた国のようで、交渉の際、何回も直産みの単語が出た。

あいつらはAの事を直産みの子と呼ぶ。
あいつにはAと言う素晴らしい名前があるのに。

初めてあいつをオークションで見た。
甚だ興味のないオークションに無理やり連れていかされ、早く終われとイライラしていた。

｢さぁ…今回の大目玉はこちら！如月家の直産みの子！今回でこの商品はやく19回目の取引となりますので、取引額は1000万からにさせて頂きます！｣

俺も一応吸血鬼だ。直産みとやらに興味が湧いた。ステージに身を向けると、青白い顔の少女がいた。目は虚ろで空洞のようなそれに吸い込まれそうになった。

2000万、3000万とどんどん大きくなっていく。

ずっと目を見ていると不意に彼女と目が合った。
彼女はこちらを見たあと、引きっつらで笑った。買ってくれるように、できるだけ媚びを売っているのだろう。

値切りが9000万まで来た時、他にいなくなった。食事だけで1億も使いたくないのだろうか。
きっとここにいる誰もが直産みの価値を知らないのだろう。そして俺も。

気づいたら席を立ち、彼女のそばに行っていた

｢…お客様…ご試食はなしですよ｣
gr｢…1億｣
｢え？｣
gr｢こいつを1億で貰おうか｣

その言葉に会場は騒然とした。でもどうしても彼女を助けたかった。

gr｢名前は？｣
『…A』

よろしく。俺の可愛いA。