吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ23)

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少女の血65 ページ23

海｢んふふ…ふふふふ…｣

海は不気味な笑いをうかべる

『海…？』
海｢やっと…やっと手に入った…ふふ…｣
『手に…私のこと？』

そう言うと彼は私の手に自身の手をするりと絡めた。
瞬間、身の毛がよだつ。

『ひっ…』
海｢もう君は僕のものなんだ…！こんなもの要らないよね…｣
そう言って手持ちの小さなスイッチを足で壊した。途端、記憶が蘇る。

『…！！！待って！帰らないと！グルさんたちが…！』
海｢…ﾁｯ｣

海が舌打ちをする。はぁぁ…と低めに呆れた感を出し、こう言った。

海｢本気で帰れると思ってる？｣

返すわけないじゃん。

そう言われ、唖然とする。今までされてきた仕打ち、それが脳裏にこびりついて離れない。

『嫌だ…や…』
ガクガクと震え、膝から崩れ落ちる。

海｢…ここではなんだ。僕の寝室で続きをやるとしよう｣

そういい、彼は私を抱き上げる。足掻く気力もなく、為されるがまま。

ベッドにつくなり、彼は私に手を伸ばす。あちこちを彼の手が這う。鳥肌が立ち、動こうにも固まって動けない小動物のように、私はその時間が過ぎるのを待った。

これで何度目だろう。異性と繋がり合うのは。

嫌と言っても聞きはしないそれを、私は心の底から憎んだ。ただの肉塊だけのそれに、私は怯え続ける。

『もう…いいや…』

誰かが言った。
｢Aじゃなきゃ…ダメなんだ｣って

…誰だっけ…誰だっていいや…何もかもが…どうでもいい。

体を重ねるというのはそういう事だ。
快楽に身を委ね、それがいつしか精神安定剤となる。私も、いつかそうなってしまうのだろう。

行為が終わり、彼は満足したように部屋から出ていった。仕事をしに行くのだろう。

私はただ1人、繋がれた手錠を眺め、震える下半身に怯えた。そして、"彼ら"を心の底から恨み、そしてまた会いたいと願った。

『…助けて』

そんな独り言も虚しく、広々とした寝室に響く。

そして明日も明後日も、私は私を殺し続けるのだろう。彼がいる限り。

gr｢…それでは明日、A救出作戦に行く。
ロボロとエミさんは情報処理、ゾムととんちは第1部隊。コネシマ、シャオロンは第二部隊。…絶対にAを救い出す。いいな？｣

｢｢｢ハイル･グルッペン！｣｣｣