吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ20)

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少女の血63 ページ20

ﾌﾞﾂｯ

…？

『誰…ですか…？』

目の前には知らない男性が4人ほど。
彼らはこの世のものとは思えないほど失望に染まっている。

海｢はぁ…あの状況で生き残れる俺って…やっぱ凄いな…｣

耳元からは知っている声が。
『…海？』
海｢そうそう！俺のことは覚えてるみたいだね｣

覚えてる？なんの事だ？？

｢…海さん…と言ったか｣
海｢はい！我々国の総統様かな？｣

｢…こいつを治す方法はあるのか？｣

海｢うー…ん…無いわけじゃないけど…タダでって訳には行かないよね｣

｢何が必要だ？｣
｢グルさん！？｣

海｢…俺はAが居ればいい。大人になってようやく会えたんだ。君達が俺からAを奪ったんだろ？｣

『待って…海…なんの事…？』

｢えー？Aの記憶が｢分かった｣え？｣

その場にいる全員が｢は…？｣と声が漏れる。

｢お前に、Aをやる｣

海｢ほんとー？！良かった…Aが戻ってくるなら俺は…｣

ぐすっと泣く様子の海。

何故海が居るのだろう。何故私はここに居るのだろう。なぜ私は…こんなにも窮屈な思いに潰されそうなのだろう。

『……』

その答えは、誰も、知らない。