吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ17)

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少女の血60 ページ17

Shpside

は…？

海｢フハッ…いいね…面白い反応するね！ほら、早く帰りなさい。もう残り1分もないよ｣

｢くっそ…！｣

急いで窓から飛び降りる。街までの森の中に入った頃、後ろからドォォォン…と大きな音がした。周辺の空は少し赤づいている。

何とか重い足を動かし、城に戻る。
あの後ぺいんと兄さんと姉さんとリーダーとはまた会う約束をし、一時解散となった。

gr｢！！お帰り。ショッピくん。Aは？｣

｢ここに…｣

そういい、腕の中で気絶中の彼女を見せる。
彼女は無事だった。でもどうしてもさっきの海さんの言葉が頭から離れない。

em｢…ショッピさん…？｣
ci｢…何があったんや｣

2人は言う。きっと顔から察したのだろう。いつも無表情のつもりが今回ばかりは緩んでいたらしい。

｢…海さんが…Aに打った薬の中に…｣

記憶力低下の薬があるって

｢？！｣

一気に場が騒然とする。

ci｢っ……それは…記憶がなくなるってことやんな…？｣

しばらくの沈黙が、肯定の色で染めていく。

zm｢記憶は…！戻るんか…？！｣

｢…それが…肝心の部分を聞き出せなくて…｣
kn｢…！なんでそんな大事なこと聞いとらんかってん！！？｣

取り乱したようにコネシマさんは言う。

｢…その事を知ったのが…爆発するまで1分もないぐらいやったし…俺もそんな超人じゃないんすから…！｣

彼女の記憶への焦りと不安、今腕の中にいる彼女は、本当に"彼女"になりうるのだろうか。

｢きっと…戻りますよ…ちゃう…戻させるんすよ…そうでしょう？先輩？｣

kn｢………わかっとる｣

確証なんてものは無いが、絶対に彼女を取り戻してみせる。この場にいた誰もがそう思っただろう。