吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ15)

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少女の血58 ページ15

｢ねえ。おはよう｣
『…？』

だれ？なにここ…また夢？

｢そう。夢の世界。ねえ。ほんとに起きたい？｣

起きる？私……なんにも覚えてないの。

｢…貴方は気絶したあと、グルッペンさん達に助けられたわ。酷く興奮してたみたい。あ、貴方がね｣

私？私が…暴れてたってこと？

｢そう。そういうこと。一気に話飛んじゃったけど…でもちゃんと帰れたみたい｣

帰る…？どこに…？

｢ほんとに…なんにも覚えてないの？｣

…大切な人が…いた気はする…

｢そっか…でも直に思い出すよ。酷いなぁ…折角私が許し始めたってのに…矢先に忘れるんだもん…｣

？？｢ーー！！ーーー！！！！！｣

｢あら、もうお呼びの時間｣

待って、誰？？ずっと私を呼んでる。

｢あなたの…大切な人｣

私の？

｢そう。早く行ってらっしゃい。大丈夫。ちゃんと思い出すわ｣

違う…ガラスに隔てられたみたいに…起きれない…向こうに行けない…！

｢…｣

ねえ…ねっ！？あっ…！？頭が…痛い…

｢…｣

ねぇ！なん…で…わたし…だれ…？？

助けて…
『たす…て…』

Shpside
｢A？！A？！？！｣
『しょっぴ…くん…』

彼女は酷く青い顔をしていた。
姉さんが近づき、様子を伺う。その途端に、彼女は豹変した。

体の一部が黒い鋼鉄のようなものに覆われ、爪が金剛石のようにパキャッ…と音を立てて表れた。

『あう…ぅぁあ…』
pe｢死神！！離れろ！！｣
死｢でも！Aちゃんが！！！｣

『うﾞ…ぅあﾞ！！』
彼女は姉さんに向けて手を振りかざした。
死｢おわっ！？｣
pe｢こっちにこい！｣
パタパタと姉さんはぺいんと兄さんの方に走る。

｢A…｣
悔しさと色んな感情が入り交じって力なく彼女の名前を呼ぶ。それに気づいたのか。彼女は振り返って言った。

『しょ……ぴ……く…たす…て…？』
｢！｣
彼女は…俺を頼ってくれた。きっと、今も彼女自身と抗い続けているのだろう。

｢もちろん…助けたる…！待っててや…！！｣

そういい、近くにあった小型ナイフを持ち、構える。

｢俺が時間を稼ぎます！姉さんは海さんのパソコンとこの建物自体のセキュリティをハッキングしてください！ぺいんと兄さんは少しずつでいいです！姉さんと一緒に脱出ルートを！｣

pe｢！分かった！｣
死｢了解です！｣
kr｢俺も手伝うよ…！｣

｢クロノアさん…｣

自身の血でふたりの周辺に硬いドームを作る。並の力じゃ壊せはしないだろう。

｢もう少しの辛抱や…頑張れ…！！｣
『ぅうﾞ…』