吸血鬼に愛される？【Ⅱ】 (ページ2)

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少女の血46 ページ2

『…と…このケーキ…食べたいです…』
ウェイトレスさんは注文を書き終えると、｢承知しました、暫くお待ちください｣と足早に去っていってしまった。

kn｢…A、ザッハ…トル…テとか食うんか｣
『はい…甘いもの全般好きなので…』
gr｢俺も半分貰っていいか？｣
『あっ…いいですよ！』
Sha｢俺…これ食お。すいませーーん！！！｣
大声で店員さんを呼ぶシャオロンさん。でかいな。
Sha｢これ、2つ｣
｢承知いたしました｣

『…スコーン…？』
Sha｢そ。イチゴジャムのっかってんねんて｣
『美味しそう…』
暫くして、ザッハトルテとスコーンが同時に運ばれてきた。

フォークをゆっくりケーキに刺す。すると、
表面がパリパリ…とわれてケーキの層が見えてくる。
それを口に運ぶ。瞬く間に口いっぱいにジャムの甘さとチョコのほろ苦さが広がる。

『ん…！！おいし…！！』

生きててよかった、と思う瞬間かもしれない。
gr｢A、1口くれないか？｣
『あっいいですよ…！』
そう言ってお皿を差し出す。
gr｢いや、違う。お前が食わせてくれ｣

へ…？

『ようは…食べさせろ…て事ですか…？』
gr｢そうだ｣

わぁぁぁ？いきなりハードルたかぁい。
でもこれをしなければ…という謎の使命感に襲われる。
恐る恐るケーキの刺さったフォークを差し出す。
グルさんはなんの躊躇いもなく大きく口を開けてケーキを食べる。

gr｢(もっすぁもっすぁもっすぁもっすぁ…)
ん！！美味い！｣
『ですよね…！』
Sha｢…(ずるい)そう言えばA…前にこれ作っとらんかった？｣

『ザッハトルテですか？』
Sha｢そそ｣
『まぁ…スポンジにチョコとグラニュー糖と水絡めたやつをかけるだけなんで…言うて簡単ですよ…』
Sha｢ほぇ…よぅわからんけど、また今度作ってや｣
『あっ…はい…！』

その後、スコーンをつまみながら、ゆっくり世間話をしていた。その時だった。

ガタッ…

『！！グルさん…？！』
gr｢ぐっ…すまない…少々貧血のようだ…｣
kn｢ばっ…なんで言わへんねん！こんな炎天下の中貧血にもなるわ！｣
Sha｢…コネシマ、他の人の迷惑になる。急いで城に戻ろう｣
kn｢…わかった｣

グルさんを担いで走るコネシマさん。
『ま…！ちょっ…』
Sha｢店員さん！後で城にその荷物持ってきてくれや！A！はよ行くぞ！｣
『あっ…はい…！』

シャオロンさんがおぶされ、と言わんばかりに背中を見せる。少々恥ずかしさもあったが、今は気にしていられない。急がなければ。