【文スト】特一級危険異能力者の日常

思ってたより雑なんだけど… ページ17

黒牙side


黒「…ねぇ、あれが爆弾魔？」

探偵社の机に爆弾魔らしき人間が座っている。
床には爆弾、人質の女の子が１人。

？「もうイヤだ、全部お前らが悪いんだ、武装探偵社のせいだ。社長を出せ！でないと爆弾で皆吹っ飛んで死んじゃうよ！！」

国「怨恨だ。」

黒「……いや、質問に答えてよ。というか、なんか計画性が全く見えないんだけど。」

太「…とにもかくにも、人質をどうにかしないと…会わせてあげたら？社長に。」

何か変だ。
まず、先に目が行くのは爆弾だがその爆弾がおかしい。回線が複雑過ぎて素人じゃ扱えない。
作ったのだとしたらかなりの腕だ。
人質が１人？いっぱいにいるのに拘束しているのがか弱そうな女の子１人なのはいい加減すぎる。そもそもなんで国木田が外に出れてる訳？
出て、戻ってきても爆弾魔は何も言わない。


普通に考えておかしいよね。
．．
普通なら。


黒「なるほどね。君達はどうしても…。」

一人言のように呟く。周りは、何故かジャンケン大会をしている。何故に？


ジャンケンに負けた国木田はわなわなとさせながら爆弾魔に近づいた。

？「来るな！吹き飛ばすよッ！！」

黒「ねぇ、爆弾魔君。一つだけ聞きたいんだけど。…思ってたより雑なんだけど。これ、誰が考えたの？」

俺も国木田と一緒に爆弾魔に近寄った。顔が付くくらい近づいて、耳元で云う。爆弾魔以外に聞こえないように。

黒「君、探偵社に恨みなんてないんでしょ？谷崎潤一郎君。」

谷「！！？」

目を見開き、あり得ないようなものを見るかのような驚きようだ。

何故、俺が爆弾魔の名前を知ってるか、それはきっと読者の方も不思議であろう。

簡単だ。先刻、出社履歴の紙をチラリと見たのだ。弁解しよう。見てしまったのだ。
出社してたのは
福沢諭吉、国木田独歩、太宰治、谷崎潤一郎、谷崎ナオミ、春野綺羅子。
女性の名前は除外するとして、国木田と太宰はそこにいるし、福沢諭吉は探偵社の社長だと云うことを知っている。
なので、残った谷崎潤一郎が爆弾魔である。

まぁ、勘でもあるのだが…。外部からの役者もいるかもしれなかったし、出社履歴の紙に書いてない人がいるかもしれなかった。

当たってたみたいで良かった〜。

？「う、動くなよ！妙な素振りをしたら皆道連れだ！」

道連れは嫌だね。まだ死にたくないよ。まぁ生きてるのは特務課のおかげだけど。

敦が後ろから何かを持ってやって来た。

面白くなる予感がする。
俺は自然と口角が上がった。

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