異能力、灰刀 ページ11
太宰side
倉庫
黒牙君は一歩一歩を大事に踏みしめるように倉庫を歩き回っている。
そもそも、変な話だ。観光ではなく普通のヨコハマ市民がニートではなく外に出ないというのは。それに、やけに子供っぽいところがあるのが気になっていた。
黒「こんなにわくわくするものなんだね!今まで、抜け出すのは夜中だったから。それに街灯がないところを選んでたから夜でも明るい道は久しぶりだよ!」
抜け出す?街灯がないところ?
黒牙君は外に出なかったのではなく出られなかったのだろうか。
敦「本当に此処に出るんですか?」
黒「出そうな雰囲気だよ!もしかしたら、狐狸妖怪の類いも出てくるかな?」
25歳には見えないはしゃぎようである。
黒牙君と正反対に敦君は不安そうな顔をしていた。
太「心配いらない。これでも私は武装探偵社の一隅だ。」
黒「……武装探偵社?」
その言葉を聞いた黒牙君はピタリと動きを止めた。そして、壊れた機械のような動きで私を見てくる。
黒「太宰、武装探偵社の人間か?」
太「そうだけど、どうかしたのかい?」
黒牙君はなにやら考えあぐねている。動きは一向にぎこちないが。
黒「……何でもない。」
武装探偵社を知っている?
それに、どこか怯えているようにも見えた。ほんの少しの違いを私は捉える。
雲に隠れていた月が姿を表す。
黒「…そろそろだろう?」
太「!?」
びっくりした。黒牙君はわかっていたのだ。
虎の正体を。そのことに気づいている私のことも。
太「…そうだね。敦君、変なのだよ。孤児院の経営が傾いたからって人1人追放したところで変わらない。情報と君の居場所も一致している。…君も異能の者だ。現身に飢獣を降ろす月下の能力者。」
敦君は虎へと姿を変えていく。
黒「虎は君だ。大丈夫だよ。助けてあげる
異能力、灰刀」
黒牙君は革手袋を外した。
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田中太郎 - 面白かったです!更新応援しています (2018年7月7日 16時) (レス) id: 552f954393 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - 真天晴夏さん» ガチですか!!!?こんな嬉しいことはありません!是非ともお願いしたいです! (2018年6月26日 17時) (レス) id: b341bfb04d (このIDを非表示/違反報告)
真天晴夏(プロフ) - 私も暇だったら書いて見ます下手だけど (2018年6月19日 22時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - マジですか!?教えていただきありがとうございます! (2018年5月22日 23時) (レス) id: b341bfb04d (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - アナログでイラストを載せる場合もデジタルの場合もヘルプから画像アップローダーを押してサイトに申請を出さなければいけません。だいたい次の日の午後4時〜6時までには申請通ると思います。申請が通るとURLも発行されるのでそれを小説に貼り付ければ完了です。 (2018年5月22日 23時) (レス) id: e79ac6a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柏餅 | 作成日時:2018年5月18日 21時