届け、お魚さんたち【Fischer's】

なくしたくない物 ページ25

マサイside

ダーマが、Aを見つけたらしい。

どうやら、屋上で飛び降りる直前だったらしい。


｢………本当に、消えるつもりだったのかよ……｣

モ｢そりゃ、あんなこと言えばね。｣

ぺ｢ちょ、ちょっとモトキ？怒らないで？｣

モ｢怒ってはいないんだけどね。ただ、マサイがあんなこと言ったからじゃないの？と思って。｣

｢分かってる。俺のせいだ。｣

あいつに、もっと優しい言葉を投げかけてやれれば。

モ｢うん。マサイ、ちゃんと謝りなよ？｣

そう言ったモトキの顔は、穏やかだった。

そんなモトキにつられて、俺も少し落ち着けた。

｢……おう。｣



ﾊﾞﾝｯ

シ｢なんかすげー音が！？って、お前らかよ！！｣

あ｢なんだよ！シルクか！｣

シ｢お前が言うか！｣

帰ってきたのか。

Aが部屋に入ってきた途端、飛びついてきた。

あ｢マサイっ……ごめんねぇぇぇぇ！｣

｢っわ！？ちょ、飛びつくな馬鹿！！｣

ま、酷い事言ったからね。

と、言いたげな顔だった。

｢いや、俺もさっきは怒鳴ってごめんな｣

あ｢んーん！マサイが言ってくれなきゃ多分気づかなかったから！ありがと！｣

ぺ｢この光景懐かしいわー。よくあったもん。｣

まぁ、たしかに昔は喧嘩ばっかりだったかも？

うん、確かそうだったはず。




今回の喧嘩でわかったのは


Aを、失くしたくないってこと。



大丈夫。


俺には、仲間がいる



大切な場所を



大切な人を


Aから、奪わせない。

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