一目惚れです【勘右衛門】

美人かも ページ2

委員会活動。
今日は我々学級委員長委員会は、学園長の思いつきがない限りこれといってすることは無い。基本的に暇な日が多いんだけど。
最近はお菓子を食べすぎたので、たまにはお菓子やめようと思い今日は皆で木の下で昼寝をしている。俺、庄左ヱ門、彦四郎、三郎の順で川の字になって。


心地いい風と陽射しのおかげか庄左ヱ門と彦四郎はもうぐっすり。

今日は日向ぼっこ日和のようで、俺も寝そうになった。


もう少しで寝れそうだった。



「なあ勘右衛門」


三郎は遠慮なく起こしてくる。
ゆさゆさされたせいで気持ち悪い。

無視して寝るに越したことはないのだけど、
やっぱり労りもなく「起きろ」「起きろ」うるさいので仕方なく口を聞いた。

「…何、俺は眠いんだ寝かせといて」




「や、あれ、見てみ」

三郎は忍術学園の門を指さした。なにか知らんが三郎がにやにやしてるのを見ると、まあ、楽しいコトとかが向こうにあるんだろう。

何となく三郎が言っている“あれ”は女だろうなと思い(というか期待し)、体を起こして目をこらす。


「ん〜よく見えないな、どれ？」

目を細めて、じっと見る。


「なんだ、乗り気だな。あれだよほら、傘被った人、あ、今取った。ほらあの人」

やっぱり女だ。

その人は、小松田さんとなにか話しているそうだけど、風のせいでよく聞こえてこない上、ここからじゃ距離があるので口の動きも分からない。




「ひ、さ、し、ぶりです、ね。…がくえんちょう、が、おまち、して、いますよ。じゃあ、またあとで、はなしましょう………って言ってるらしい」


「どんだけ目がいいの三郎。俺には見えないんだけど」


その人の歩き方は忍者らしくなかった。
腕のいい忍者は一般人に忍者と悟らせないために歩き方や行動に気をつけると聞いたことがある気がする。
忍者だとしたら結構すごい人なのかもしれない。

その人の、堂々として軽やかに歩く姿がかっこよく見えた。

「…美人、かな」

いつの間にか魅入ってしまった。


「客観的に言って割といい方じゃないか？私の好みじゃ無さそうだけどな」



美人ならあとで見に行ってみようかな。





あとさ、





三郎、


お前の好みは別に聞いてない。

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