39話 ページ40
結婚式は盛大に執り行われた。
幹部だけではなく、全てのモンスターが祝いのために城に押しかけた。
それをたしなめるトントンも、いつもの粛清モードではなく穏やかな表情をしていて。
沢山の仲間に囲まれながら、世界で1番幸せな瞬間を迎えることが出来た。
syp「A、俺、行きたいところがあんねんけど…。」
そんなことをショッピ君が持ちかけてきたのは、結婚式が終わった日の朝だった。
もうモンスターたちもそれぞれの住処に帰っていて、がらんとした城の中と私たちの部屋の中は、眩しい朝の光で満たされていた。
『うん。でもどこに？』
私がそう聞いても、ショッピくんは直ぐには答えなかった。
俯きながら唇をかみ締め、何か言いたげな様子ではあるが、必死に言葉を選んでいるために何も話せないのだろう。
『今、行きたいところ？』
syp「…まぁ。」
『行こうか。』
私はただ、ショッピくんとどこかに出かけるだけで幸せなんだよ。と付け加えると、彼の顔は少しだけ明るくなった。
そして彼は、ありがとう、と独り言のように呟いて、私の手を掴んで歩き出した。
道中、会話はほとんどなかったが、それでも居心地が悪いような感じはしなかった。
エンダーマンだった頃よりも太陽の光が苦手になってはいるものの、今日ばかりはむしろ暖かさが心地よかった。
そんなことを考えていると、私の手を引いて歩いていたショッピくんの足が止まった。
目の前には倒壊しかけたボロボロの建物がある。
看板には何か文字が書いてあるようだが、劣化していて読めない。
『ショッピくん、ここは…』
syp「孤児院。俺が、元々居たところ。」
悲しそうに、でも愛おしそうに孤児院を眺めるショッピくんは、私を見ずにそう言った。
何と反応していいか迷っていると、ショッピ君が空いている方の手でヘルメットを脱いだ。
人間だった頃とかわらない、栗色の髪が太陽の日の下でキラキラと輝いている。
syp「別に、もう思い出なんてないねんけどな。A、もう少し歩いた先に、見せたいものがあるんや。」
そう言うと、ショッピくんはまた私の方を見ずに歩き出した。
思い出がないなんてのは見え透いた嘘だが、あえて言う事でもないだろうと思って指摘はしなかった。
寂れた孤児院を一瞥し、私は手が引かれる方向に再び歩き出した。
続く (更新停止中)
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Lemon(プロフ) - 風太さん» Oh…yeah… (2018年12月26日 10時) (
レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - Lemonさん» ただでさえ無い文才なので残念ながらおすそ分けできないですが今日のデザートの牛乳寒天ならおすそ分けできますよ(微笑) (2018年12月25日 20時) (レス) id: 3b060bbfe0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - 風太さん» そうですね((風太さんの文才下さい（切実） (2018年12月25日 11時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - Lemonさん» 論点がずれてる夢主ちゃんって凄く可愛いですよね((( (2018年12月22日 0時) (レス) id: 3b060bbfe0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - も、木炭？！そ、そういう問題？！ (2018年12月21日 14時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
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