35話 ページ36
Aの柔らかい唇をそっと押し広げ、毒々しい薬品を口の中に注ぎ込む。
Aは少しだけ眉間に皺を寄せたが、観念したようにゆっくりとそれを飲み込んだ。
変化はない。
息は続いているし、かと言って目を覚ます感じもない。
肩に手が置かれる。
しんぺい神の手だ。
snp「ショッピくん、もう、時間だから。」
申し訳ないという表情でそういう彼に、不甲斐なさを感じた。
誰だってAが目を覚ますのを心待ちにしているはずだ。
それはしんぺい神だって例外ではないわけで。
いつの間にか強く噛んでしまっていた唇を舐めると、ほんのりと血の味がした。
しんぺい神の瞳は揺らいでいる。
syp「すみません、俺、干渉しすぎましたよね。」
snp「そんなことないよ、君は頑張った。」
優しく首を振るしんぺい神の目は優しい。
この人は分かっているのだろうか。
これからAがどうなるのか。治るのか、それとも治らずにずっとこのままなのか。
あるいは、、、
snp「もう昼になるよ、そろそろ寝よう。僕達には沢山やるべき事がある。明日もね。」
そう言うしんぺい神の顔には疲れが滲んでいた。
もうこれ以上粘ってもAは目を覚まさないだろう。
そう言いたげだった。
syp「…っ、はい。何かあったら、教えてください。」
しんぺい神は声を発さずにこくりと頷き、力なく笑った。
医務室から出ると、カーテンの隙間から強い日差しが差し込んできた。
モンスターになってからというもの、日差しがとても辛い。
Aやコネシマさん、ゾムさんなどは日光に当たっても平気らしいが、それでも辛いと聞いた。
俺はどうなんだろうか。
部屋に戻ると、どっと疲れが出た。
Aのことを考えながら、眠りについた。
夜なんて来なければいいのに。このまま俺も目が覚めなければいいのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 236人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lemon(プロフ) - 風太さん» Oh…yeah… (2018年12月26日 10時) (
レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - Lemonさん» ただでさえ無い文才なので残念ながらおすそ分けできないですが今日のデザートの牛乳寒天ならおすそ分けできますよ(微笑) (2018年12月25日 20時) (レス) id: 3b060bbfe0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - 風太さん» そうですね((風太さんの文才下さい（切実） (2018年12月25日 11時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - Lemonさん» 論点がずれてる夢主ちゃんって凄く可愛いですよね((( (2018年12月22日 0時) (レス) id: 3b060bbfe0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - も、木炭？！そ、そういう問題？！ (2018年12月21日 14時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
