19話 ページ20
syp「何でもできるんや。」
『いや、私にもできないことはたくさんあるよ？』
ショッピ君は、街に向かうことに躊躇いがあるようで、表情を硬くしている。
ネザーから帰って来て城を抜け、街へ行く途中も彼はずっと無言のままだった。
だが私自身も緊張していたということがあってか、気の利いたことが言えずにいた。
初めてすれ違ったヒトには、怪しまれずに済んだ。
このまま順調に進んでくれればな、なんてフラグめいたことを考えながら街へ入ると、一気に活気を感じた。
『うわ、すごいね。ヒトが多いな。』
syp「……っす。」
『何かあった？元気がない。』
syp「…怖い。」
ショッピ君は若干震えながらそう言って、私の手を掴んだ。
手を掴んだからといって何が得られるのだろうか。
ヒトは、手を掴むだけで安心感を得ることができる生き物なのだろうか。
『ヒトが怖いの？』
syp「みんな俺を見る、みんな俺を見る、みんな」
ショッピ君は益々ふるふると震えだした。
見るな、見るな、と呟いて、私の背中に隠れながら泣きそうになっている。
このままだと買いたい物も買えなくなりそうだ。
一先ずヒトがいない所に移動すべきだろう。
そんなことを考えていると、丁度建物と建物の間にヒトがちょうど2人並んで通れるか通れないかくらいの隙間を見つけた。
『こっち。』
syp「…ぇ、」
ショッピ君の手を引っ張って路地裏に滑り込む。
少し暗いが、ヒトの目はあまりないため、ショッピ君も安心できるだろう。
『ショッピ君、落ち着いて。』
syp「ぅ……ん、」
唇を噛み締めて涙を堪えているショッピ君を見ていると、何故だかこっちまで悲しい気持ちになってくる。
どうすればいいのか分からずに、優しく彼の涙を拭った。
『ヒトは怖くない。少なくとも私がいれば、誰もショッピ君に危害は加えない。というか、加えさせない。』
syp「Aっ、ありが、と…。」
ショッピ君は嗚咽混じりにそう言った。
かと思えば、もう大丈夫だという風に姿勢を正してみせた。
それからの買い物は順調だった。
保存の効く食べ物や飲み物を沢山買って、漸く2人で帰路につく。
荷物は重すぎたので瞬間移動させて、先に城に送っておいた。
あわよくば自分達も瞬間移動しようかとも思ったが、さっきグルッペンの熱を吸い取って、尚且つ慣れないヒトの世界に出た私の身体にはそれはできなかった。
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Lemon(プロフ) - 風太さん» Oh…yeah… (2018年12月26日 10時) (
レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - Lemonさん» ただでさえ無い文才なので残念ながらおすそ分けできないですが今日のデザートの牛乳寒天ならおすそ分けできますよ(微笑) (2018年12月25日 20時) (レス) id: 3b060bbfe0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - 風太さん» そうですね((風太さんの文才下さい（切実） (2018年12月25日 11時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
風太(プロフ) - Lemonさん» 論点がずれてる夢主ちゃんって凄く可愛いですよね((( (2018年12月22日 0時) (レス) id: 3b060bbfe0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - も、木炭？！そ、そういう問題？！ (2018年12月21日 14時) (レス) id: 5820e15656 (このIDを非表示/違反報告)
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