気づいてよ。気づかないでよ。赤羽業 (ページ11)

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過去。ページ11

業「ね、Aちゃん。俺、言いたいことが、あるんだ。」

そう言い出す赤羽くん。

なんだろう。私にとって、いい事じゃない･･･よね。

『なに？』

そう言うと

業「あのさ、俺がさ、どうしてAちゃんの事気にかけてるかわかる？」

知るわけが無い。それどころか、その疑問はずっと前から思ってた。

『分かんない。なんで？』

業「俺さAちゃんの事、1年生の時から知ってたよ。」

『う？うん？』

いきなり話が飛んで驚いたが、とりあえず返事をしておく。

業「すっごくいい笑顔で笑ってて･･･みんなにいつも囲まれてて･･･俺とは絶対関わらない相手だろうな･･･俺なんて関わりたくないんだろうな･･･って思ってたのね。」

『あっ･･･』

私はそこまで言われて思い出す。
思い出したことに気づいたのか、赤羽くんはふっと顔をほころばせた。

業「体育祭の時にさ、俺がめんどくさくってサボってたら、Aちゃんが呼びに来たんだよ。」

『ほら～いくら不良だからって学校行事はサボっちゃダメだよ～笑
ほらほら！行こっ？クラスのみんな待ってるよ！

だっけ。』

私はその時赤羽くんにかけた言葉を言う。

業「そうそう。
余計なことに渚君を引き連れてね。結局俺は強制参加。

それから、俺は停学になったから、Aちゃんとは関わってない。

だから、Ｅ組に来た時は、すごくびっくりした。

なんでか分かる？」

『人気者で、成績も良い私が、E組に来たから･･･？』

業「ちがうよ。全然、ちがう。」

赤羽くんは即答する。

業「笑顔が違ったんだよ。
俺が見てた、AAの笑顔はもっと、輝いてた。眩しかった。
でも、Ｅ組に来た時のAちゃんの笑顔は･･･どこかくすんで見えた。」

『でも、赤羽くんの記憶違いってことも･･･あるでしょ？
たしかに、成長したんだから、笑い方くらい変わるよ。

赤羽くんの記憶の中で、私の笑顔が美化されてただけじゃないの？』

業「それは無いよ。」

『なんで？』

業「だって･･･俺はずっと_______________」