毒林檎[実況者] (ページ13)

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十一口目ページ13

チャイムをならすと、相手はなんの迷いもなく玄関のドアを開けた
俺は普通の友達のようにそいつの肩に手をおき、そして_____

包丁を、腹に突き刺した

動かなくなってからも、生きている心配がないように何回も刺す
ぐさ、ぐさ、ぐさ、ぐさ、ぐさ

やがて小腸とかがぐちゅぐちゅとかき混ぜられる音がしてくるからそのときがやめどき。

最後に喉を力一杯刺して、骨が少し見えるぐらいに、喉の肉をとる
よし、これで大丈夫だ。

『…友人、』

Aは具合が悪そうに壁に寄っ掛かっていた
俺が近くによると、べちゃりと血を吐き出す

キ｢おい、大丈夫か？｣

そう声をかけると、Aは顔をあげ、そしてにたりと笑った
赤い目が、いびつに歪む
『_____ 私はねぇ、血なんて吐いてないよ？』

俺の思考を読み取ったかのように、Aは血塗られた口を動かす
いや、本当にこれはこいつの口か？

『私はいつも何も吐いちゃいないさ。
いつもいつも血を吐いているのはさぁ___』

甘い香りが、体に巻き付く
まるで、俺を抱き締めているかのように

『君じゃあないか。友人』

今Aが笑っているのか、笑っていないのか、俺にはわからない。
だって____

ここに、Aなど存在してはいないのだから

自分の口元に手をあてると、べたべたとした血が手を汚していた

『幻聴、幻覚、ご苦労様。』

Aの声が遠ざかる
いやだ、まって、まって、俺はまだ、頑張れるから、まだ、消えないで、

香水に手をのばすも、届かない

こんな、中途半端なところで、終わってたまるか―

ごぼごぼと口から血があふれでるのがとまらない
頭も痛んで、目も霞む

――――ちく、しょ、う

携帯の着信音が、なっているような気がした