疑心、暗鬼を生ず[実況者] (ページ25)

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25,答え合わせページ25

レトルトside - - - - -
レ｢ばれないと、おもたんやけどなぁ｣

その言葉に、嘘はない
実際、ばれないと思っていたし、このまま裁判が続いても自分が死ぬことなんてないと思っていた。
―だって、殺すのは俺なのだから

レ｢どこでわかったん？｣

もともとくしゃくしゃの髪の毛をぐしゃぐしゃにしながら俺は少年に問いかける

少年は、にこりと笑いながら答えてくれた
この笑顔がもとの顔のように少年はよく笑う

P｢人狼がでたのが４月1日っていう時点からなんとなくわかってはいたよ。まず村長が村長とは思えないほどにきょどきょどしてたからねー｣

少年はぐいぐい距離と距離を縮めてくる
俺のことを落とすつもりなのだろうか
まぁ、落ちても死にはしない。というか筋力差では圧倒的に俺の方が強いから、落とそうとすれば少年が落ちるのがこのことのオチだ。

そのことを、この頭のいい少年が考えていないハズもない。
どういうつもりだろうか。

P｢殺害方法は簡単。殴ってから羊に襲わせればいいだけ。羊に、食べさせればいいだけだ。
そうすれば誰も触りたくなんてなくなるから、指紋を検証される心配もなくなる。
―警察なんて、この村にはいないからね。
だから、人狼がでたと言う嘘は君には都合が良かった。
獣の臭いも、人狼の臭いになる。｣

そう、村長のこの嘘は俺にとっては都合が良すぎた。
賭けだったのだが、見事に成功した。

P｢君は賭けをしたんだ。3月31日にあえて村長にばれるようにして、殺害をした。愚かな村長が、嘘をついてくれるように、｣

…化物かよ

P｢この村から殺人者がでたなんて認めたくない村長は、嘘をついた。人狼が、でたってね

｢見事にひっかかって、村は大騒ぎ！だぁれも人殺しがおきたなんて思わない！

｢だけど、ここで予想外のことが起きた｣

もう少年と俺の距離は、まったくない
少年は、俺が足をかけている窓の縁に、自分の手を乗せた

P｢それは、人狼裁判。｣

少年は身をのりだし、俺と目を合わせた
ぱかりと開いた口からは、糸をひいた涎と真っ赤な舌___獣のように尖った歯が、よく見えた。