冨岡義勇のバヤイ。 ページ23
・
「アッあの……そ、そんなに避けないでも
よろしいのでは、」
「……」
目の前にいるのは冨岡義勇さん。
て か 何 コ イ ツ 。
え?ちょ、わざわざ山やら谷やらまで徒歩で
行って帰ってきた私にその態度はあんまりじゃないの?え?私がおかしいの?
今はもう御館様に報告し終わった後だから
別に暇だけど……えっ?えっ?えっ?
以前は2文字くらいは喋ってくれたやん……。
私何かした?
私が冨岡さんに話しかけてる理由は、鱗滝さん
から冨岡さんへの伝言を預かったからだ。
…それは別にいいのだが、この人さっきから私と
一向に話そうとしない。
ぶ っ こ ろ す よ ?
おっといけない、疲れてるからか脳内でとても
暴力的になってしまった。
いかんぞ、こんなんでは孫犬猫ライフなんざ
程遠い。
「冨岡さん」
「……何だ」
この仏頂面どうにかなんないの?
そんな言葉を押し殺したまま、私は続ける。
「……あの、冨岡さんて私の事嫌いですか?」
私は昨晩、急いで山を降りてきて、さらに
急いで電車に飛び乗った。
簡単に言うと、超疲れていた。
だからなのか、いつもより口のジッパーが
緩くなってて。
つい、そんな言葉を言ってしまった。
殴りたい。
「__ッそんなわけ、ないだろう!」
「へ?」
思いのほか、焦ったような冨岡さん。
怒らせてしまったのか?やばい、と思わず
頭の中でビビってしまう。
やばいやばい私、水の呼吸でズタボロに
されるのかな。
私のバカ!伝言なんて明日でよかったじゃん!
寝ろ!等、私を罵倒する私の声が聞こえた気がする。
……久しぶり、というか初めてこんな失態を
犯してしまった。
というか、この人の場合ヤンデレとかじゃ
ないから分からない。
頭がごちゃごちゃして、パンクしそうになってる私に、冨岡さんはふと我に返ったのか、
とても落ち込んだ様子になった。
「……すまん、つい。
大声を出して、悪かった、」
「い、イエ……」
とてつもない罪悪感が私を襲う。
わ、私、悪いこと……したの?
今すごいごめんねって言いたい。
めっちゃ謝りたい。
過去に封印したはずの謝り癖が、今大爆発を
起こそうとしている。
どうする、私。
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ぽいんせちあ(プロフ) - 何回でも読める! (2022年3月25日 14時) (レス) id: 341a75d524 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいんせちあ - やば…好きです (2022年3月25日 14時) (レス) id: 341a75d524 (このIDを非表示/違反報告)
通行人B - 今でもこの小説読んでるけど、これ読むと何時もなんて言うかな……何か、キュンってきます!! (2022年2月1日 23時) (レス) @page3 id: 9e6a0c7491 (このIDを非表示/違反報告)
ミル産業 - 最後の時透君はヤバい。何か...ずっきゅーん!!!...だよね??((圧 (2020年4月27日 22時) (レス) id: 66812cc6be (このIDを非表示/違反報告)
奈雪 - あ、此の作品がないと生きていけなくなりました。(訳:めちゃくちゃ大好きです) (2020年3月14日 0時) (レス) id: c1bb07e9f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゴリラ系美女 | 作成日時:2019年10月22日 21時