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「さーて、ラジオも終わったことだし聞かせてもらおうか」
悪役のような含みのある笑い声と共に牛沢は言う。ニヤニヤという効果音がつきそうな顔をしているのが脳裏に浮かんだ。
「そんな面白いことなんてないよ、残念ながら」
Aはため息をつきこの話は終わりだと言わんばかりに酒を煽った。しかし牛沢は更に追求しようとあの手この手で質問をしてくる。
彼のこういうところはあまり好きではないが心配してくれているのだろう。半分は面白がっているようだが。
「…暴露動画出して、あいつ心配になって迎えにきてくれたの」
Aは観念しポツリと話し出す。キヨのことを好きだと言うところを省いて牛沢に伝えると興味なさそうな声が返ってきた。
「そんで?好きなんでしょ」
聞きたいのはそこじゃないと言わんばかりに切り込む牛沢にAは声が裏返った。
「あれぇ?違いましたっけ」
楽しそうに笑う牛沢の声にAは顔がひくつく。「怒んなよ」とケラケラ笑う牛沢にAはお手上げだと言わんばかりまたため息をついた。
「…別にどうこうなりたいって向こうも思ってないし、このままですよ。牛沢さんの肴になることは何もないっす」
そう、どうこうなる気など向こうにはない。ましてやAにもその覚悟も自信もない。
彼とは釣り合わないのだ。
「本人達の問題だからとやかく言わないけどさ。素直になりなさいよ」
先程までのふざけた声ではない牛沢にAは押し黙る。
「素直に、なあ」
牛沢の奥さんが後ろから呼ぶ声がする。時間を確認すると長時間彼を拘束してしまっていたようだ。
「あー長い時間ごめん。じゃあまた」
そう言ってAは通話を切ろうとするが「あ」と牛沢の声に指が止まる。
「あいつかなり奥手だからお前から行かないと無理だと思うよ」
こちらが何か反論する前に牛沢はぴっと通話を切ってしまった。Aは言いたい怒りをぶつける場所がなく小さく呻いた。
「こっちも奥手だよ…」
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作者(プロフ) - ョョョさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!続きが読みたいと言ってくださりとても嬉しいです。こちらの続きということですが、番外編の様な形でお届けできればと思いますのでお待ちいただければと思います。今後ともよろしくお願いします (1月21日 23時) (レス) id: 5c8407e589 (このIDを非表示/違反報告)
ョョョ(プロフ) - 連載お疲れ様でした!作者様のkyがめっちゃ解釈一致でとても好きでした😭番外編や短編の様なものでもいいのでこちらの作品の続きが読みたいなと思ってます…。もしよければご検討いただきたいです! (1月21日 16時) (レス) id: 07f3f77cd4 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 作者さん» 本当ですか!?アカウント作成待っております❤︎更新応援しております‼︎頑張ってください ♪ (1月21日 3時) (レス) id: 2a226b7582 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - ??さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!現在は新作とこちらの作品の2つとなっています。アカウントを作成していないため作品ページがないのかと…。もし需要ある様でしたらアカウント作成検討します。次作も引き続きよろしくお願いします! (1月16日 19時) (レス) id: 5c8407e589 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 連載お疲れ様でした!めちゃくちゃky!って感じでめちゃくちゃすきですTT 今あるのは新作とこの作品の2つですか?作者のページを設定されない⁇のか作品が見当たらないので教えてほしいです、!新作も連載頑張ってください! (1月16日 16時) (レス) id: 2a226b7582 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2023年12月14日 21時