第76話 ページ27
秀「でも?」
昨日の彼女の様子を思い浮かべれば、心配なのもわかる。せめて、その姿を沖矢昴のものにしてほしい。
コ「わかった…ボクもいく。」
偽るのも哀しいのだ。
それは、己が一番よく知っている。
会話もなく走る車内は、何処か重たい。昨夜のことを思い起こしているからか、たんに赤井が黒いオーラを出しているからか。
たどり着いた彼女の部屋。
何度インターフォンを鳴らしてもでない。どこかに出掛けたわけではないようだ。それは、赤井が出る前に確認している。
秀「まさか…な……。」
と言いつつも行動に移す彼は、普段からなら想像もつかない。いつもポーカーフェイスを保っている顔は、焦燥と畏れが入り交じっているように見える。
ほんの微かな変化だが、コナンにはわかった。
管理人に開けてもらった部屋に入り、奥へと進む。
ソファの上で彼女は、うなされていた。
秀「A…起きろ…ガリアーノ…。」
彼女を起こしにかかった赤井。
ふと目についたローテーブルの上の彼女の携帯を手に取った。明かりをつければ、表れたのはメールの文面。
読んではいけないと脳ではわかっているのに身体は好奇心に突き動かされている。
秀「やめておけ…。」
気づいた赤井が止めたときには、もう全て読んだあとだった。
コ「確かに…これは、読んじゃいけなかったかな…。」
キュラソーが、綴った彼女への想い。
矛盾しているのに、言いたいことがわかる。そういう人間なのだ、ガリアーノという人は。ここにあるということは、何度となく読み返し泣いていたのではないだろうか。
コ「Aさん、大丈夫そう?」
たまった雫を溢すまいと赤井に問いかけた。
秀「どうだかな…。」
うなされていた彼女は、赤井が来たことがわかったのか今は規則正しい呼吸が聞こえてくる。近くにあったタオルで顔をぬぐっている。
何を見たのかと聞かない。ありがたかった。今聞かれれば、何かが溢れてしまいそうだから。
コ「赤井さん…それ…。」
目に留まったのは、長袖のシャツから覗いた真っ白な包帯。腹部に見えた朱に染まる包帯。
秀「昨日のだろうな…。」
彼は気づいていなかったのだろうか。
彼女のこと。
秀「他人の血だと思っていたんだが…。」
赤井がそうだとすれば、恐らく本人も同じようなことを考えていたのだろう。そういう人だ。
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かなと(プロフ) - 気になる終わり方でしたが、ありがとうございました(泣) (2016年6月4日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
ラスティ - 更新待ってます (2016年6月2日 22時) (レス) id: 35a99e4b3a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してますから!! (2016年5月28日 20時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 死にたいとか云わないでー!! (2016年5月22日 14時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - ラスティさん» ラスティってお酒の名前ですよね!! (2016年5月21日 22時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒闇 | 作成日時:2016年4月9日 23時