第75話 ページ26
翌朝目覚めると身体中が痛む。
あのまま寝落ちてしまったらしい。
赤くシーツが染まってしまっている。そこまでひどい怪我はしていないつもりだったが、これを見ると考えを改めなければならないようだ。
「あー…。」
服を脱ぐ。
目を引くのは脇腹の傷。ざっくり裂けていた。後は、どれもこれも肌が裂けている程度のかすり傷だ。
「あれか…。」
というか、深手を負っていながら気づかないとは。
彼女らしいといえば彼女らしい。
基本的に自分のことなどどうでも良い。とか、考えているような人間だ。
「なれないこと…するものじゃないな…。」
身体能力の高すぎるキュラソーに手を引かれて駆け抜けたのだ。その前日には、車であちこち打ち、海へと落下し、夜の警察病院へと侵入した。
疲れと怪我ばかりが溜まっていたのだろう。
避けられたものもあったろうに。
痛みに顔をしかめつつ、シャワーを浴びる。汚れと固まった血は、きれいに落ちて行く。それと同時に出血は止まっていたはずの傷から新しく流れ出てくる鮮血。
綺麗なタオルで身体を拭き、手早く手当てを済ませた。
ある程度のことは、自分でできてしまう。
器用な人だ。
ぼんやりと考える。全ては関係性のないとりとめのないこと。
こんな風に知らず知らずのうちに人を庇ってしまう。そして、自分の身体に傷を残す。そうして己の身体を酷使してきた結果が、今の彼女を苦しめている。
「長く…ないか……。」
ふと呟いた言葉が、偽りであってほしいと願う。
コ「こんばんは!」
目の前にいるのは、コナン。もう既に外は暗く子供の出歩く時間ではない。
秀「どうした、ボウヤ…。」
姿を偽ることなくその場に立つ赤井を軽く睨みながら疑問を伝える。ここがいかに安全な工藤邸だとしてもその姿は、あまりにもいただけない。
コ「どこにいくの…?」
少し棘のある言い方だが、致し方あるまい。昨夜は、あんなことがあったばかりだ。彼が向かおうとしているところは、行ってもらっては困るのだ。
コ「赤井さんも…わかってるでしょ…。」
彼は危険な綱渡りをしている。
秀「そんなに心配なら…一緒に行けば良いだろう…。」
いくら信用できるといっても組織の人間だ。彼女の場所に他の人が出入りしていないとも限らない。
コ「でも…。」
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かなと(プロフ) - 気になる終わり方でしたが、ありがとうございました(泣) (2016年6月4日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
ラスティ - 更新待ってます (2016年6月2日 22時) (レス) id: 35a99e4b3a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してますから!! (2016年5月28日 20時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 死にたいとか云わないでー!! (2016年5月22日 14時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - ラスティさん» ラスティってお酒の名前ですよね!! (2016年5月21日 22時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒闇 | 作成日時:2016年4月9日 23時