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第73話 ページ24

見ないふりをして、彼は家へ帰してくれた。

黒い服のお陰でだいぶ隠せてはいるが、自分の身体はひどく傷ついている。

でも、身体よりも心の方が痛かった。

独りベットに沈みこみながら、彼女のことを思い出す。今宵、黒き闇の中へと沈んだ彼女のことを。

送り出した自分。

この結末を知りながら、なにもしなかった自分。

助けることのできる道を知りながら、望みを叶えてやることにした。最期くらい笑って見送ったつもりだが、できていただろうか。

死を覚悟したキュラソーに自分の想いを伝えられただろうか。

「こんなこと…言える立場に…ない…。」

わかっている。でも、考えずにはおれない。

自分のそう遠くない未来を見ているようで。

今夜の自分は、何処かおかしい。

訳もなく人を助けている。

そんな気がして、思考をやめた。

ライも言っていたではないか、そんなことを考えるのは烏滸がましいと。己は己のいるべき場所でやりたいことをするだけだ。

小さく携帯が震える。

「もしもし…?」

バーボン。降谷零からだ。赤井といるところを見られてしまった。きっとその事だろうと思いながらでた。

透「怪我でも…してないかと思いましてね…。」

ひどく回りくどい。

「用件は?」

透「赤井とどういう関係なんですか?」

本当に嫌そうに聞いてくる。

「それより、後始末は良いのかしら?…零くん。」

ふと思い出した懐かしい人の声で彼に問いかける。電話越しでも伝わるほど、彼が動揺する。志保と明美の母、今は亡き人。

透「本当に意地が悪い…。こちらで勝手に推測して、あなたを組織に売りましょうかね。」

こちらの安全は、守られたも当然になりますから。と続ける彼に、矛盾を伝える。

「赤井が生きていると…言わないお前にできないでしょう…。」

ボウヤの頼みを無下にできるほど馬鹿ではないから。

透「くっ…まぁ、良い脅しのネタができたと思うことにします…。」

あえて触れないことが、彼の考えの裏付けとなったのだろう。そもそも何かを言ったところで、この朧気な頭で答えたことは全てYESとなってしまう。

「しばらくは…大人しくしておくことね…。」

バーボンに向けた言葉ではない。きっと己へと告げた言葉。

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かなと(プロフ) - 気になる終わり方でしたが、ありがとうございました(泣) (2016年6月4日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
ラスティ - 更新待ってます (2016年6月2日 22時) (レス) id: 35a99e4b3a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してますから!! (2016年5月28日 20時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 死にたいとか云わないでー!! (2016年5月22日 14時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - ラスティさん» ラスティってお酒の名前ですよね!! (2016年5月21日 22時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒闇 | 作成日時:2016年4月9日 23時

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