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第68話 ページ19

観覧車の通用口を登り、キュラソーのいるであろうゴンドラへと向かう。

途中、バーボンの姿を見かけた。

あの状況から逃げ出せたらしい。よくやるものだ。また、ジンのしてやられた顔を見逃した気がする。

いるであろうと見当をつけていたところが、ことも見事に外れ、途方もなく階段を駆け降りていたときである。

コ「赤井さん!…そこにいるんでしょう!?…手を貸して!」

そう叫ぶボウヤの声。

やはり来たのだと、彼の身を案じつつも己のするべきことをしようとそちらの方へと向かう。ジンたちのやることは、大方予想がつくが、確認しておかねばと思ったのだ。

透「わかった!今からFBIとそっちに向かう!」

そう叫び返すバーボンの声を聞き、もし盗聴されていたら、せっかく疑いが晴れたと云うのに逆戻りになるぞ。とガリアーノにしては、珍しく人の心配をしていた。

「F…B…I?」

あのバーボンが、嫌悪感を丸出しでいる人間などひとりしか思い付かない。そう彼までも来てしまったのだ。

怪我などしなければ良いのに。

車軸に張り巡らされた導火線にその先につけられた火薬。

キュラソーを奪還後は爆破してしまうつもりらしい。

カチャ

音もなくバーボンの背後に回り、その頭に拳銃を突きつけた。

コ「が、ガリアーノ…」

すでに彼の姿はなく、ボウヤとバーボンのみだ。

透「すみませんが…これはどういうつもりですか?」

柄にもなく声が震えた気がした。

この引き金が引かれれば、己の命はない。

「キュラソーは、どこ?」

とくに何の感情を込めるまでもなく聞かれた。この状況への説明はないのか。

コ「そろそろ頂点につく頃だと思うよ…。」

無邪気な気配をすべて引っ込めている少年。

「そう…。ごめんなさい…バーボン。殺すつもりはないから…。」

その声に嘘偽りの気配はない。殺すつもりが欠片もないなら、殺気を隠してほしい。さりげなく、押し潰されてしまいそうなほどの気迫を出す彼女。

もしかしたら、無意識なのかもしれないな。

その考えに背中に冷や汗が伝う。

無意識でこれほどだ。意識的に、若しくは感情のままに彼女が動けば、己は立っていられるだろうか。

透「さっさと行って下さい…。僕はこの爆弾を解体しなければならないので…。」

知っていると言わんばかりの顔で、嗤われた。

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かなと(プロフ) - 気になる終わり方でしたが、ありがとうございました(泣) (2016年6月4日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
ラスティ - 更新待ってます (2016年6月2日 22時) (レス) id: 35a99e4b3a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してますから!! (2016年5月28日 20時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 死にたいとか云わないでー!! (2016年5月22日 14時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - ラスティさん» ラスティってお酒の名前ですよね!! (2016年5月21日 22時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒闇 | 作成日時:2016年4月9日 23時

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