第62話 ページ13
ぐったりとして助手席に座っていたガリアーノの姿を思い出す。彼女も関係があったということだ。
彼女の無事を祈るが、行方不明のまま。
銀髪の女の方は、見付かったというのに。
身体能力にやや乏しい(常人からすれば良い方なのだが)彼女が、落下していく車内から逃げることができたのか。
わからない。
突然かかってきた電話に眉をひそめる。
「ライ…大丈夫よ…。」
見知らぬ番号からの電話だった。だが、一番聞きたかった声だ。それ以上言葉を紡ぐことなくその電話は、きられた。
秀「すべて…見透かされていたというわけか…。」
そう呟いた一言は、虚しいだけだった。
ガリアーノは、たった一言秀一に告げただけで動き出した。
彼女のこういう時の勘は、よく当たる。
恐らくキュラソーは、あのボウヤたちと一緒だろう。子供のことだ。ここに来れば、観覧車に乗りたがるだろう。
乗ればいくらかの情報を漏らしてしまうかもしれない。あの光の配色を見れば。
そう考えつつ、ジンへと連絡をいれる。
「わたしに…裏切り者の制裁は、回ってこなかったのね。」
淡々と事後報告をしてくるジンにそう告げる。
ジ「なーに…まだあと二人いる…。気になるなら、明日来ればいい…。」
キールとバーボンのことか。
「いいえ…結構よ…。あなたのテリトリー…。おかすわけにはいかない。…キュラソー…わたしに任してくれる?」
ジンはいつになく饒舌なガリアーノに危機感を抱いた。何か良からぬことが、巻き起こりそうで。
ジンにここまで思わせるとは、なかなかの人物だ。
ジ「ケッ…好きにしろ…。」
ぶちっと音をたて途切れた会話。それを特に気にすることもなくお目当ての彼らをさがす。
観覧車へと向かえば、その付近に哀とコナンがいた。電話口に呼び掛ける声を聞けば、良くないことが、おきているのは明らかだ。
恐らく彼女が、発作をおこした。
そういうことだ。あの少年にこちらの動きが、バレてしまう。だんだんと楽しくなってくる。
ただでさえ、こちらは諜報戦争の元となるノックリストを手中にしているのだ。それに際してのキュラソーの記憶喪失。ボウヤたちの介入。
面白くないわけがない。
今宵、キュラソーに会うべく準備を進めることにしたガリアーノだ。
254人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなと(プロフ) - 気になる終わり方でしたが、ありがとうございました(泣) (2016年6月4日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
ラスティ - 更新待ってます (2016年6月2日 22時) (レス) id: 35a99e4b3a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してますから!! (2016年5月28日 20時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 死にたいとか云わないでー!! (2016年5月22日 14時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - ラスティさん» ラスティってお酒の名前ですよね!! (2016年5月21日 22時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒闇 | 作成日時:2016年4月9日 23時