第50話 ページ1
ガリアーノは、自分が何故こんなところに閉じ込められているのか、さっぱりわかっていなかった。
冷凍車のコンテナのなかにだ。
ただ、たまたま見かけたこの宅配便に荷物を頼もうとしただけだ。声をかけて死体を見てしまった後からは記憶が飛んでいる。
肉弾戦は、不得手なのだ。
対処なんてできない。
殴られたお腹が痛かった。武道をしていなくても大の男が、殴れば相当痛い。勘弁してほしい。
「寒い…。」
羽織っていたはずの上着は、向かい側に放り投げられていた。薄手のTシャツだけ。道理で寒いはずだ。ここからでは、荷物に遮られて扉が見えない。
この状況で意識が戻っただけ良しとしよう。上手いこと逃げ出さねば。
ニャー。
「…ニャー?」
猫。猫だ。
哀「いたわ!」
歩「大ちゃん!」
寒さで幻聴が聴こえているのだろうか。
子供の声が聞こえてきた。
哀「ダメ!今でてったら許さないわよ!」
聞き間違いではないようだ。哀の声が確かに聞こえてくる。少年探偵団の皆さま方のようだ。
光「あ、こんなとこに上着がありますよ。これ、着ますか?」
哀「え、ええ。そうするわ…。ありがと。」
反対側にいるガリアーノには、気づかなかったようだ。
変装なんてしていない。
彼らに見つかったら終わりだ。
光「外に出してもらいましょう。」
コ「いや…そいつはやめといた方がいい…どうやらオレたちの前にもうお客さんが乗ってたようだぜ…」
ダンボールに詰められた死体を見つけたようだ。
さすがといえよう。仕事が早い。
パッとこちらにも光が灯る。
コ「え?」
戸惑った。さすがのコナンも理解が、追い付かない。組織の幹部が、素顔でこんなところに居るなんて、誰が想像できようか。
「はは…。」
乾いた笑いが出てくる。
哀「え?」
コナンが固まっているのを見て、こちらを向いた哀も全く同じ反応を示す。さっぱりわからない。
元「オメーら知り合いか?」
コ「え、あ、あぁ。」
小さな声で哀とコナンに状況を説明する。いくらなんでもこの状況は、楽しめない。情けなさ過ぎる。
コ「Aさん、Aさん!」
再び意識が遠退きかけた時、コナンの呼ぶ声がした。
歩「お姉さん、大丈夫?」
「ええ。」
笑ったつもりだが、笑えているのだろうか。
254人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなと(プロフ) - 気になる終わり方でしたが、ありがとうございました(泣) (2016年6月4日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
ラスティ - 更新待ってます (2016年6月2日 22時) (レス) id: 35a99e4b3a (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 更新頑張ってください!!応援してますから!! (2016年5月28日 20時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 死にたいとか云わないでー!! (2016年5月22日 14時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - ラスティさん» ラスティってお酒の名前ですよね!! (2016年5月21日 22時) (レス) id: 181887ceab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒闇 | 作成日時:2016年4月9日 23時