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7話 ページ9

3人の目的地は家から十分程の距離にある、小高い丘の上にある寺だ。


だが、そこに集う者たちの面構えは「僧侶」や「和尚」よりも、「修行者」や「僧兵」の方が似合う者たちばかりだった。


達也はついた途端、手荒な出迎えを受けていた。


出迎え、というのは稽古のこと。


この寺に通い始めた当初は一人ずつの掛かり稽古だったのが、今では中級以下の門人約二十人による総掛かりに変わっていた。


八雲「燐音くん!深雪くん!久し振りだねぇ」


その陽気な声に深雪は驚いて、燐音はいつも通りマイペースに振り向いた。


深雪「先生っ……。気配を消して忍び寄らないでくださいと、何度も申し上げておりますのに……」


八雲「忍び寄るな、とは、深雪くんも難しい注文を出してくれるんだねぇ。僕は『忍』だからね。忍び寄るのは性みたいなものなんだけど。それにしても、相変わらずだねぇ、燐音くんは」


燐音「クスクス、お久しぶりです、九重先生」


燐音が驚かなかった理由。それは、寺の敷地内全域に燐音の固有魔法。空間魔法の一つ、「空間認識魔法」を展開していたからだ。


深雪「今どき、忍者なんて職種はありません。そんな性は早急に矯正されることを望みます」


八雲「チッチッチッ、忍者なんて誤解だらけの俗物じゃなくて、僕は由緒正しい『忍』だよ。職業じゃなくて伝統なんだ」


深雪「由緒正しいのは存じております。ですから不思議でならないのですけど。なぜ、先生がそんなに……」


軽薄なのか、とは、深雪はあえて口にしなかった。


口にしても無駄だということは学習済みだった。


八雲「それが第一高校の制服かい?」


深雪「はい、昨日が入学式でした」


八雲「そうかそうか、う〜ん、いいねぇ」


深雪「……今日は、入学のご報告を、と存じまして……」


八雲「真新しい制服が初々しくて、清楚な中にも隠しきれない色香があって」


深雪「……」


燐音(嫌な予感しかしないわ)


そう思いながらも、燐音は微動だにしなかった。


八雲「まるでまさに綻ばんとする花の蕾、萌え出ずる新緑の芽。そう……萌えだ、これは萌えだよ!……ムッ?」


際限なくテンションをあげていた八雲に、後ろから達也が手刀を振り下ろした、がそれを八雲の腕によって塞がれてしまった。

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神楽(プロフ) - 零月さん» 読んでくれたんですね!すごい嬉しいです!ありがとうございます!そして、頑張ります! (2018年9月2日 0時) (レス) id: 32ef8d3bc4 (このIDを非表示/違反報告)
零月(プロフ) - 読みました!めっちゃ面白いですね!達也さんのお姉さんかぁ…そんな発想は私にはなかったので読むのがめちゃくちゃ楽しいです!続き、待ってます!これからも応援させてもらいます! (2018年9月1日 23時) (レス) id: 86a7555269 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るぅびっくきゅぅぶ | 作成日時:2018年5月6日 17時

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