入学編 1話 ページ3
深雪「納得できません！」
達也「まだ言ってるのか……」
司波燐音、16歳。現在、妹―――司波深雪の我儘を弟―――司波達也と一緒に聞いています。
何故こうなったかは、達也の成績が関係してくる。
入学試験、七教科平均、百点満点中九十六点。
魔法理論と魔法工学は小論文含めて共に満点。
なのに二科生。
魔法科学校なのだから、ペーパーテストより魔法実技が優先されるのは当然のこと。
だが深雪は、それに納得していないようだ。
深雪「そんな覇気のないことでどうしますか！勉学も体術もお兄様に勝てる者などいないというのに！魔法だって本当なら」
達也/燐音「「深雪！」」
少し現実逃避をしていた燐音には、これまでにどのような会話が繰り広げられていたのかわからなかったが、深雪にこの先だけは言わせてはならないことだけはわかった。
達也「分かっているだろ？それは口にしても仕方のないことなんだ」
深雪「……申し訳ございません」
達也「深雪お前の気持ちは嬉しいよ。俺の代わりにお前が怒ってくれるから、俺はいつも救われている」
深雪「嘘です」
達也「嘘じゃない」
深雪「嘘です。お兄様はいつも、私のことを叱ってばかり……」
達也「嘘じゃないって。でも、お前が俺のことを考えてくれているように、俺もお前のことを思っているんだ」
深雪「お兄様……そんな、『想っている』だなんて……」
達也(……あれっ？)
達也が考えていることと、深雪が考えていることに、ちょっとした齟齬が生じてしまった。
燐音「あらら……。いいの？達也、訂正しなくて。深雪は意味を履き違っているみたいだけど」
達也「たしかにそうだが、今訂正をして、また深雪が機嫌を損ねてもあとが大変だからな」
燐音「ｸｽｸｽ、それもそうね」
コロコロと、鈴を転がしたような声で笑う燐音を余所に、達也は話を続けた。
達也「お前が答辞を辞退しても、俺が代わりに選ばれることは絶対にない。この土壇場で辞退したりすれば、お前の評価が損なわれることは避けられない。本当は、分かっているんだろう？深雪、お前は賢い娘だから」
深雪「……分かりました。我儘を言って、申し訳ございませんでした」
達也「謝ることでもないし、我儘だなんて思ってないさ」
深雪「それでは、行って参ります。……見ていてくださいね、お兄様」
達也「ああ、行っておいで。本番を楽しみにしているから」
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神楽(プロフ) - 零月さん» 読んでくれたんですね！すごい嬉しいです！ありがとうございます！そして、頑張ります！ (2018年9月2日 0時) (
レス) id: 32ef8d3bc4 (このIDを非表示/違反報告)
零月(プロフ) - 読みました！めっちゃ面白いですね！達也さんのお姉さんかぁ…そんな発想は私にはなかったので読むのがめちゃくちゃ楽しいです！続き、待ってます！これからも応援させてもらいます！ (2018年9月1日 23時) (レス) id: 86a7555269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るぅびっくきゅぅぶ | 作成日時：2018年5月6日 17時
