17話 ページ19
真由美「まあまあ、リンちゃん、いいじゃない。達也くん、風紀委員は、学校の風紀を維持する委員です」
達也「……」
真由美「……」
達也「……それだけですか?」
真由美「聞いただけでは物足りないかもしれないけれど、結構大変……いえ、やりがいのある仕事よ?」
達也「そういう意味ではないんですが」
真由美「はい?」
達也は視線を右にスライドさせた。
鈴音の目には同情があったが、助け舟を出す気はないようだ。
その隣、摩利は、面白がっている。
その隣、視線を合わせると、あずさの目に狼狽が浮かんだ。
あずさ「あ、あの、当校の風紀委員会は、校則違反者を取り締まる組織です」
あずさ「風紀といっても、服装違反とか、遅刻とか、そういうのは自治委員会の週番が担当します」
あずさ「風紀委員の主な任務は、魔法使用に関する校則違反者の摘発と、魔法を使用した争乱行為の取り締まりです。」
あずさ「風紀委員長は、違反者に対する罰則の決定にあたり、生徒側の代表として生徒会長と共に、懲罰委員会に出席し意見を述べます。いわば、警察と検察を兼ねた組織ですね」
深雪「凄いじゃないですか、お兄様!」
達也「いや、深雪……そんな『決まりですね』みたいな目をするのはちょっと待ってくれ……」
達也「念のために確認させてもらいますが」
摩利「何だ?」
達也は、あずさから摩利へと視線を向けた。
達也「今のご説明ですと、風紀委員は喧嘩が起こったら、それを力ずくで止めなければならない、ということですね?」
摩利「まぁ、そうだな。魔法が使われていなくても、それは我々の任務だ」
達也「そして、魔法が使用された場合、それを止めさせなければならない、と」
摩利「できれば使用前に止めさせるのが望ましい」
達也「あのですね!俺は、実技の成績が悪かったから二科生なんですが!」
摩利「構わんよ」
達也「何がですっ?」
摩利「力比べなら、私がいる……っと、そろそろ昼休みが終わるな。放課後に続きを話したいんだが、構わないか?」
達也「……分かりました」
摩利「では、またここに来てくれ」
理不尽感を押し殺して頷く達也を余所に、深雪と燐音は内心喜んでいた。
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神楽(プロフ) - 零月さん» 読んでくれたんですね!すごい嬉しいです!ありがとうございます!そして、頑張ります! (2018年9月2日 0時) (レス) id: 32ef8d3bc4 (このIDを非表示/違反報告)
零月(プロフ) - 読みました!めっちゃ面白いですね!達也さんのお姉さんかぁ…そんな発想は私にはなかったので読むのがめちゃくちゃ楽しいです!続き、待ってます!これからも応援させてもらいます! (2018年9月1日 23時) (レス) id: 86a7555269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るぅびっくきゅぅぶ | 作成日時:2018年5月6日 17時