14話 ページ16
深雪「そのお弁当は、渡辺先輩がご自分でお作りになられたのですか?」
摩利「そうだ。……意外か?」
達也「いえ、少しも」
摩利「……そうか」
摩利が言った質問を達也に間髪を容れず否定の言葉を打ち返された挙げ句、自身の手元をじっと見られ、摩利は気恥ずかしさを覚えていた。
燐音(悪い子ね、達也は)
深雪「お姉様、お兄様、私たちも、明日からお弁当に致しましょうか」
深雪のさり気ない一言に、燐音は目線を達也から深雪へ、達也は目線を摩利の手元から深雪へと移した。
燐音「それは、いいわねぇ」
達也「あぁ、確かに深雪の作る弁当はとても魅力的だが、食べる場所がね……」
深雪「あっ、そうですね……まずそれを探さなければ……」
三人の会話をしているときの雰囲気は、この年頃の異性の肉親同士にしては、少し親しすぎるものに見える。
鈴音「……まるで恋人同士の会話ですね」
ここで、鈴音が爆弾投下した。
達也「そうですか?血の繋がりが無ければ恋人にしたい、と考えたことはありますが」
しかし、爆弾は不発ー否、誤爆に終わる。
鈴音「ちなみに、どちらを選ぶんですか?」
達也「そうですね、どちらも魅力のある女性ですから一人に絞れといわれてもできないですね」
ここで、一人の少女が席を立ち達也の席の隣に座る。
燐音「浮気はダメよ?達也。私にしてちょうだい?」
達也の顔に手を添え、身を寄せる燐音。
深雪「お姉様!?」
あずさ「はわわっ」
摩利「おぉ〜」
それぞれがそれぞれの反応を見せる中、達也と燐音は表情を変えない。
達也「姉さん……、悪ノリはやめてくれ」
深雪/あずさ「「えっ!?」」
燐音「あら、バレちゃったの」
少し不貞腐れた顔をして離れ、席に戻る燐音。
摩利「……面白くない男だな、君は」
つまらなさそうに表する摩利に、
達也「自覚しています」
棒読みで回答する達也。
真由美「ハイハイ、もう止めようね、摩利。口惜しいのは分かるけど、どうやら達也くんは一筋縄では行かないようよ?」
このままではキリが無いと見たのか、真由美が割って入った。
摩利「……そうだな。前言撤回。君は面白い男だよ、達也くん」
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神楽(プロフ) - 零月さん» 読んでくれたんですね!すごい嬉しいです!ありがとうございます!そして、頑張ります! (2018年9月2日 0時) (レス) id: 32ef8d3bc4 (このIDを非表示/違反報告)
零月(プロフ) - 読みました!めっちゃ面白いですね!達也さんのお姉さんかぁ…そんな発想は私にはなかったので読むのがめちゃくちゃ楽しいです!続き、待ってます!これからも応援させてもらいます! (2018年9月1日 23時) (レス) id: 86a7555269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るぅびっくきゅぅぶ | 作成日時:2018年5月6日 17時