sky142 ページ12
Aside
固まっていた私の体と頭を動かしたのは、誰かが抱きついてきたからだ。
「……士郎……」
「Aちゃん……」
士郎の背中は、震えていた。
「また消えちゃうんじゃないかって……すごく不安だったよ……」
……そっか、私は士郎を一人にしちゃったんだよね。
「ごめん、士郎……」
私は、いつもそうなんだ。
守りたい人を大切なときに守れない。寄り添ってあげなきゃいけないときに寄り添えない。
アツヤの時も、エイリア学園の時もそうだった。
「姉ちゃん……っ！よかった……」
栗太まで抱きついてきたから、私はバランスを崩して倒れてしまう。
「く、栗太……」
「どうしてっ……姉ちゃんはいつも一人で抱え込んじゃうの!?
どれだけ僕たちが心配したと思ってるのさ‼」
「うん……ごめんね」
迷惑かけないようにって思ったけど、結局かけている。
こんなに心配かけさせちゃった……。
「ごめんなさい……ありがとう……」
今はそれしか言えなかった。
もっと言いたいことはあったのに。
「……ってか栗太に吹雪、いつまでAの事押し倒してんだよ」
不動がそう言うと、二人とも勢いよく避けた。
「ご、ごめん……重かった!?」
「いや二人とも軽いから大丈夫……」
そして立ち上がると、過去最高と思われる威力で頭を叩かれた。
じーんとくる痛みの中、不動を見る。
「バカA。大切な試合の前に居なくなるとかアホかよ」
言葉とは裏腹に、不動の顔は優しかった。
「……ごめんね不動。あと痛かった」
「迷惑かけた分の仕返しだ。これだけにしてやるから」
「……てか、スルーしてたけど雪本、記憶戻ってるんだな‼」
綱海さんの声が大きく響く。
「……あ、……うん」
それに頷き気分が重くなると同時に……あのノートは見てないんだと思った。
まぁあれは、必要ないかもしれない。
「……雪本、とりあえず事情を聞かせてもらう。
そして……お前がかつて暮らしていた施設とやらのこともな」
……でも、やっぱり私の過去は……知られていた。
どこから知ったのかな、そう思いつつ……小さく頷いた。
逃げていたら、いけない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナツ(プロフ) - 満月さん» 書いている本人ですら、やっとかと思っています……笑いつの間にかかなりの鈍感無自覚と化した雪本ちゃんですが、ようやく気付きましたね！最終回までの構成はほぼ確定しているので、できるだけ早く更新していきます！ (2018年9月1日 6時) (
レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - ナツさん» おぉ！遂に士郎への思いに気が付いた！ほのぼの家族の誕生、、、予想出来た！ (2018年8月31日 19時) (レス) id: 7f700bf5c4 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 満月さん» ありがとうございます！恋愛に関してはもう少しで決着（？）つきますよ！日本代表に士郎を始め、好きなキャラがたくさん選ばれて良かったです！世界編めっちゃ楽しみですね！最近テストが多いので少しペースは落ちるかと思いますが、よろしくお願いします！ (2018年8月28日 18時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
満月 - とっても面白かったです！士郎くんと早よくっ付け〜！！！でも、日本代表に士郎くん、風丸くん、鬼道くん、豪炎寺くん、ヒロトくん、不動くんに灰崎くん選ばれて良かった〜！(←全て推し。士郎くんが一番だけど！)投票でアツシくん達を待ってます！更新頑張って下さい！ (2018年8月28日 17時) (レス) id: d83bdf162b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - ナナナ7・ω・さん» 面白いと言って頂けて嬉しいです！長い間更新しない時があったので、それを挽回するために頑張っています。完結までお付き合い頂けるように頑張りますね！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月26日 12時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナツ | 作成日時：2018年8月20日 15時
