sky105 ページ10
Aside
翌日。
「か、カッパ……?」
朝から食堂は、カッパの事で持ちきりだった。
どうやら、円堂君がこの宿舎でカッパを見たらしく。
その事を皆に言っていたけど……信じてもらえていなかった。
「ほらA、さっさとグラウンド行くぞ」
「え、不動君待って!!」
私は不動君と食堂を出る。
……カッパ、ね。
「……不動君は、カッパっていると思う？」
「は？いるわけねーだろ。……でも栗太は信じてたみてぇだな。聞きたくないって吹雪連れてさっさと行っちまったもんな」
「……苦手なのかな、妖怪とかお化けとかが」
知らねと素っ気なく言う不動君。
「で、Aも今日から練習再開か」
「そうだね……」
「……乗り気じゃねーのか？」
「違うけど……」
すると不動君は私の頭を軽く叩く。
痛くは、なかった。
「なら思いきりやれ。うまく出来なくても誰も何も言わねぇよ。
……お前の実力は、記憶失ったくらいで簡単に無くならねぇからな」
ふっと笑う不動君。
……そっか。そうなんだ……。
「わかった……頑張るね」
ｰｰｰ
練習開始。
さっそく試合形式の練習に入れられた……いきなりすぎませんか。
「雪本上がれ!!」
鬼道君の指示を受け、ボールを持っている虎丸君と共に上がる。
「Aさん、打ってみてください‼」
「ええっ!?」
ボールを受け取り、ゴール前に立つ。
そして勢いよくボールを蹴った。
「っと……ナイスシュートです‼」
「あ、ありがとう……」
それは立向居君に止められた。
……なんか、違和感ある……。
体はよく動いている。感覚も掴めてる。
でも……何か、足りない……。
「……」
スピードと空中戦が私の武器って、秋ちゃんは言ってた。
なら……それを心がけてみたら、良いのかな……。
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作者名：ナツ | 作成日時：2018年8月4日 19時
