閉じた翼とイナズマジャパン【イナズマイレブン】 (ページ38)

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番外編*その２ページ38

Aside

そして、円堂君たちは沖縄に向かうことに。

福岡だけで風丸君と栗松君……そして私が降りることになってしまった。

「士郎、頑張ってね」

右目に眼帯を付けた私は、そう作り笑いを浮かべる。

……うまく笑うことも、今の私には出来なかった。

「うん。Aちゃんも……頑張ってね」

「……」

私はそれには答えず、士郎の背中をトンと押した。

「行ってらっしゃい」

「……A……ちゃん……」

最後まで、皆と戦いたかった。

弱かったから、皆と一緒には行けないんだ。

「…………強く、なりたいなあ」

そう朧気に呟く。

もし……もっと強くなったら、また皆は迎えに来てくれるかな？

そう思い、ぎゅうと……拳を握りしめた。

ｰｰｰ

『強くなりたい』

そう願うのは、間違いでしょうか？

守りたい人を守りたくて。

守れない自分が情けない。

＿＿強く、なりたいだろう＿＿

その風丸君の問いに頷いた、あの日。

……あれが、私が皆から"手"を離した瞬間だった。

魅了された。その紫色の石に。

手に持つだけで、力がみなぎるような感覚に。

私がしたことは、"裏切り"かもしれないけど。

誰も、気付いてくれなかったよね？

私が、助けてを叫んでいた事に。

右目が見えなくなっても、私を連れていってくれること、期待したのに。

必要だよ、って言われたかっただけなのに。

……その気持ちは、届いてくれなかった。