sky98 ページ3
Aside
……だが、またユニコーンが動きを見せた。
ペナルティエリアを囲まれたのだ。
中にいるのはGKの円堂。そして壁山君と綱海さん。
……何をするつもり？
一之瀬がシュートを打つと、綱海さんが止める。
こぼれ球を別の選手が拾ってまた打ち、今度は壁山君が止める。
……それの、繰り返しだ。
「圧倒的スピードで相手DFより数的有利の状況を作り、雷鳴が轟くように攻撃する……。
必殺タクティクス、ローリングサンダーだ!!」
「ローリングサンダー……土門、あれは一之瀬の体に相当な負担がかかるんじゃ……」
私のマークについていた土門に聞くと、頷いた。
「でも出し惜しみはしていられねぇよ。それに雪本……お前だって発作起きかかってるんだろ？
……右手、さっきから全く動かしてないじゃないか」
「……!!よく、気付いたね……」
すでに右手には、ほとんど力が入らない。
「……お前も、無理して戦うんだな」
「……ごめん。でも私は足が動く限りは……皆の足を引っ張る事になるまでは戦うよ‼」
隙を見て走り出すものの、すでに遅かった。
「「「グランフェンリル!!」」」
一之瀬、マーク、ディランの必殺シュート。
「イジゲン・ザ・ハンド!!」
だがそれは打ち砕かれ……またもや失点。
追いついたと思ったら、また追い抜かれてしまう……。
だがユニコーンの勢いは止まらない。ボールをカットし続ける壁山君や綱海さんの息も上がってきている。
「選手交代だ‼」
……ここで壁山君と綱海さんに代わって土方さんと木暮君。
そして風丸に代わって不動が入った。
「これから俺が言う通りに動け、良いな？」
「うん。……ローリングサンダーの攻略法がわかったの？」
「珍しいな、Aが気付かねぇなんて。……まぁ、その時が来たら教えてやるよ」
……相変わらずの不動だ。
試合が再開し、またすぐにローリングサンダーの形になる。
中にいるのは土方さんと木暮君だ。
私は……不動からの指示でそこから離れた場所にいた。
ボールを持っている選手へ、二人がかりで奪いにいく。
その人は慌ててパスをし、ボールは一之瀬へ。
……また、グランフェンリルを打たれるんじゃ……!!
「よし、……いけぇ、木暮ぇ!!」
「おう!!」
……すると、なんと土方さんが木暮君を空中に投げた。
木暮君は見事グランフェンリルを阻止したのだった……。
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作者名：ナツ | 作成日時：2018年8月4日 19時
