sky115 ページ20
Aside
私は、いつものプレーをしたらいい？
でもそれだけで、カテナチオカウンターを攻略するなんて出来るのかな……？
「A、上がれ!!」
不動君からボールを受け取り、ドリブルで上がる。
すると案の定、囲まれてしまった。
ボールをどうにかキープしつつ、考える。
鍵をこじ開ける……それはつまり、無理矢理開けてしまう事。
……攻略は、しなくてもいい？
「っ……そうか」
合鍵を持つ鬼道君だけが、カテナチオカウンターを攻略する事が出来るんだ。
……なら、私は……。
フィディオの隙をつき、空中に飛び上がる。
「なにっ……!?」
私は、空中戦とスピードが武器なんだよね。
それなら……。
「こうやればいいってことか！……鬼道君っ!!」
空中から鬼道君にパスを送り、ゴール前に走る。
そして鬼道君はカテナチオカウンターを攻略。
「雪本っ!!」
パスを受け取る。
「……ウェイクスワロウ、改!!」
頭では、考えていなかった。
ただ体が動くままに走って飛んで、ボールを蹴った。
「コロッセオガード……なにっ!!」
それは、ゴールネットを揺らした。
……よし、同点だ‼
「ナイスシュートだったよ、Aちゃん!!」
駆け寄ってきた士郎君は、ハイタッチをするかのように両手を前に出す。
「へへ、ありがとう……ってうわっ！」
私も手を前に出すと、士郎君の腕は背中に回っていた。
まぁつまり、抱きしめられた……って事なんだけど。
突然の事に固まっていると、士郎君は
「……大丈夫、今は僕たちを信じれていなくても……僕たちがAちゃんを信じてるから……」
と、少し震えながら柔らかな声で言ってくれた。
聞こえてたんだ……。
「……うん」
なんでだろう、すごく……ホッとする。
「……ありがとう、士郎君」
思い出したい。皆との思い出を。
そうしたら、信じれるかもしれないから。
……自分自身を、皆の事を……。
ｰｰｰ
影山side
シュートを決めたAが、仲間に囲まれて笑っていた。
……やっぱりお前は、楓に似ている。
いつか楓に、Aと私は対になる存在だと言った。
でもそれは、違っていたな。
……私とAは……似ている。
Aは何かの拍子にあっという間に堕ち、闇に迷い込んでしまうだろう。
それを救えるのはイナズマジャパン。お前たちなのだろうな……。
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作者名：ナツ | 作成日時：2018年8月4日 19時
