sky114 ページ19
Aside
「っ……」
オルフェウスがシュートを決めてから、かなり厳しい戦いになっている。
カテナチオカウンター……。
イタリアで、鍵を表す古い戦術……と聞いたことがある。
どうすれば、攻略出来るんだ……？
ここでヒロト君と虎丸君が交代することに。
私は……試合をただ観ていた。
何度かピンチもあったものの、何とか二点目を与えずにやれている。
強力なシュートは、DFの皆と円堂君で止めて……でも攻撃に切り替えたら、またボールを奪われる。
まだフィディオが必殺技を使ってないことも気になるし……。
「……似てるな、鬼道君のプレーに」
ふと私は、そう呟いた。
「なんか言ったか？」
不動君の問いに、私は思ったことを話した。
「フィディオと鬼道君のプレー……似てるって思ったんだ」
カテナチオカウンターが、鍵なら。
……合鍵を作ってしまえば、いいんじゃないかな……？
「オーディンソード!!」
「イジゲン・ザ・ハンド……くっ!!」
……ここで、イナズマジャパンはまた失点。
そして不動君を投入することになり、染岡君と選手交代。
「そして……雪本。栗太と交代だ」
……えっ？
その指示に、ベンチにいた皆が驚きの声をあげる。
「……なんで、私が？」
「お前はカテナチオカウンターの合鍵にはなれない。
だが、"こじ開ける"事は可能だ」
……こじ開ける？それはどういうこと？
疑問に思いつつフィールドに入る。
「雪本、大丈夫なのか？」
「うん……監督が言ってた。私はカテナチオカウンターの鍵をこじ開けられるって。どういうことなんだろう……」
鬼道君とそう話していると、不動君がそこに来た。
「……かつて、帝国に『空の王者』と呼ばれた選手がいたのは鬼道クン、知ってるよな？」
「？あぁ」
「名前は、雪本楓……」
……私と、同じ名字。
それに鬼道君は顔を上げ、ゴーグル越しに目を見開いていた。
「まさか……!!彼が雪本の父親だというのか！？」
「その可能性は大いにある、だろ？」
……待って、それどういうこと。
私がついていけていないことに気付き、不動君は苦笑い。
「とにかくお前は、いつものプレーをやればいい。
……大丈夫だ。Aならな」
……試合再開だ。
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作者名：ナツ | 作成日時：2018年8月4日 19時
