心配 ページ8
へたへたと、飛影の右腕を掴んでいたA両手が落ちていく。
霊力が一気に減ったせいで、体から力が抜けてしまったようだ。
｢…これ以上は戸愚呂さんに怪しまれそうだしやめとくね。ごめん、ちゃんと治せなくて。｣
｢…いや、かなり楽にはなった。｣
｢良かった。｣
Aは1度立ち上がろうとしたが、ふらついて膝をついてから諦めたようだった。
座り直したAを見下ろしながら飛影は口を開く。
｢お前の後ろにいるのがあの左京とか言う男ならあの時の振る舞いには納得がいく。だが…いや、だからこそか。今回俺にしたことが腑に落ちん。｣
｢何故…？｣
｢…っ！左京は戸愚呂チームのオーナーだろう。いずれ当たる俺に何故塩を送るような真似をする。｣
Aが飛影を見上げたことで再び目が合って飛影はたじろいだ。
その目が、あまりにも真っ直ぐだったからだ。
｢心配だった、だけじゃダメなの？｣
｢お前が俺を心配する理由がない。｣
｢…試合が盛り上がれば盛り上がるほど、VIP達がかけるお金が大きくなる。それは、優勝チームのオーナーである左京さんにとって、利益になる……理由なんて、作ろうと思えばいくらでもあるわ。でも、どれも違うの。｣
やはりか、そう思って閉じかけた飛影の心にグッとバールを差し込むようにAは飛影の目を見詰めたまま言葉を続ける。
｢心配だった…これが、1番しっくりくるの。｣
こいつは、喋るのも笑うのも下手なやつだな…飛影は、呆れながらもどうしようもなく先程までの自分が馬鹿らしくなって声を出して笑った。
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もこ(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます！更新、遅くなってすみません…… (2019年5月26日 23時) (
レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2019年5月17日 13時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこ | 作成日時：2019年4月18日 1時
