霊力 ページ7
｢飛影さん、ですよね…？｣
｢……っ！貴様…｣
突然掛けられた声、飛影が振り返るとそこにはしーっと立てた人差し指を口元にあてるAがいた。
｢腕、大丈夫…じゃないよね。見せて？｣
いきなり現れてそんなことを言うAに飛影は抵抗しようと試みるが、右腕を取られその痛みのせいで｢触るな｣という言葉は喉の奥にすっ込んでしまった。
｢黒龍波、凄かった。みんな息をのんでた…｣
飛影は自分の右腕に触れているAの両手に霊力が込められたことで警戒を強めた。
しかし、波打つように揺れるそれが傷付いた右腕に吸い込まれるようにして消えていく…それと同時にゆっくりと、そして微かにではあるが右腕の痛みが引いていくのだ。
｢なんだ、それは。｣
ダラダラと言葉を続けるAに、痺れを切らしたように飛影は短く問う。
Aは少しキョトンとした後にあ、そうだよね…と苦笑いを零した。
｢得体の知れないものだもんね、ごめん。｣
｢謝罪はいい。なんなのかを言え。｣
｢自分の霊力を無理矢理流して体内で余った妖力を治療に回すように体質を一時的に変化させてるの。妖怪の頑丈な体有りきの手法だから人間には使えないけど。｣
膝まづいて自分を見上げるように真っ直ぐ見詰めてくるAに、飛影は居心地悪そうに視線を迷わせた後何故そんなことを自分にするのかと疑問を投げ掛けた。
｢左京さんがもう一度見たいって言ってたから。｣
｢左京？お前、左京の｣
｢…っていうのは建前で、ただあなたが心配だったから、って言うのはダメかな？｣
眉をひそめながらもへなりと笑ったAに流石の飛影も拍子抜けというように息を吐き出した。
｢貴様の話は腑に落ちん…が、今は仕方ないから預ける。勘違いするな、仕方なくだからな。｣
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もこ(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます！更新、遅くなってすみません…… (2019年5月26日 23時) (
レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2019年5月17日 13時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこ | 作成日時：2019年4月18日 1時
