哀れ ページ24
｢あの…鴉さん？｣
｢動くな。｣
｢あ、はい。すいません…｣
椅子に座ったAとその後ろに立ってAの髪をいじる鴉。
ここは美容室か何かなのでは…？と錯覚しそうになる光景だが、Aが寝室として使っているスイートルームの一室である。
｢やはり良いな。｣
｢良いトリートメントを使ってるからでしょうか。｣
部屋に戻ると当然のようにそこにいた鴉に｢戻ったか。そこに座れ。｣と座らされ、わけも分からずされるがままになっているAは苦笑気味に言う。
｢髪ではない。お前自身のことだ。｣
Aは鴉の言葉に驚いてえっ、っと声を上げて椅子から立ち上がろうとしたがぐっと鴉に方を抑え込まれ座り直す。
｢お前はその身にあまる力を持ちながら酷く弱い。そして儚い。｣
髪を1束すくい上げてそこにマスク越しに口を付けると鴉は息を吸うように言葉を紡いだ。
｢それでいて、強い意志を持って自分を抑え込んでいる。｣
吸うように言葉を紡ぐ、なんとも奇妙だがAには本当にそのように感じたのだった。
｢お前ほどオオツルボが似合う人間もそう居るまい。｣
鴉は、自分の言葉を聞いてピクリと肩を揺らしたAを笑う。
いや、鴉でなくとも…きっと、誰もが彼女を笑うだろう。
｢お前は本当に“哀れ”な娘だ。｣
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もこ(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます！更新、遅くなってすみません…… (2019年5月26日 23時) (
レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2019年5月17日 13時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこ | 作成日時：2019年4月18日 1時
