答え ページ18
コンコン、と開け放たれたままの扉を叩く音がする。
｢こ、こんにちは…｣
そこには恐縮するように肩を竦めたAがいた。
｢蔵馬さん、お加減どうですか？｣
｢お陰様で、もうすっかり元気だよ。｣
｢良かった…｣
｢Aさんは、大丈夫でしたか？｣
｢私のは一時的なものだから。｣
随分笑うのが下手になったものだ、と蔵馬は思う。
初めて会った頃はあんなにも綺麗に笑っていたというのに…それが、少し悲しく思えると同時にとても寂しかった。
｢そう言えば昨日の…鴉、でしたか。彼、戸愚呂チームのメンバーなんですね。｣
｢何故そんな…あぁ、そう言えば皆さんは戸愚呂さんに呼ばれたんでしたね。｣
もはや分かり切ったこと…いや、蔵馬は最初から薄々気づいていた。
｢つまり、あなたのパートナーは戸愚呂チームのオーナー…左京ということですね。｣
｢パートナー、まぁ、そう、ですね。｣
どこかトゲトゲしい蔵馬の言葉に、少したじろぎながらもAは曖昧に、しかし確かに肯定する。
｢腕の刺青は彼の趣味ですか？｣
｢…そっか、見えてるんだよね。｣
蕾に戻っているであろうオオツルボが描かれた前腕内側を擦りながら、Aは言う。
自然と目線は下がり、表情は暗くなっていくA。
蔵馬の質問の意図も、答えも探せないまま時間だけが流れていく。
｢そろそろ、行くね。｣
｢Aさん！｣
｢…またね。｣
しかし、いつまでもそうしているわけには行かない。
そう思ってぱっと顔を上げたAはそのまま身をひるがえした。
答えは、出ないまま。
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もこ(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます！更新、遅くなってすみません…… (2019年5月26日 23時) (
レス) id: fb2eac157c (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 続き気になります(*⌒▽⌒*)更新楽しみにしてます(*⌒▽⌒*) (2019年5月17日 13時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこ | 作成日時：2019年4月18日 1時
